From クルンテープ

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陣痛促進剤


主治医の先生の携帯に電話し、電話越しに指示を仰ぐことに。

先生いわく「破水して時間が経ちすぎると外から入った細菌に赤ちゃんが感染する
危険があるので、もし8時間待っても陣痛が来なかったら、陣痛促進剤を打ちましょう」とのこと。

ゲゲッ、陣痛促進剤!!  
以前、先輩ママさんが「普通は10時間とか、時間をかけて子宮口が開いていくところを、
陣痛促進剤を使うと、それが短時間にグッと凝縮されるってことなの。だから陣痛も凝縮された分、
一気に来てツライわよ。もう地獄を見たわ。」と言うのを聞いて、それだけは避けたいと思っていた。
その陣痛促進剤を打つの?! ひいいいいー(涙) 
お願い、早く陣痛来てーーーー!!

しかし、だらだらとテレビを見たり、持ち込んだCDを聴いたりしているうちに、
陣痛の気配は全くないまま、外は暗くなり、そろそろもう午後7時。

看護婦さんが部屋に入ってきた。
「お腹痛くなってきた?」
「いえ、まだなんですけど。」
「そう、じゃあもう陣痛促進剤を入れ始めた方がいいわね。今、用意するからね」と、言って
さっさと出ていってしまった。
むむむ、まだ先生の言っていた時間じゃないのにー! 少なくとも後1時間は大丈夫なのでは?! 
と内心思いつつ、いよいよ出産という緊張と、元来の小心者ぶりが復活してきてしまい、
何も言い出せないままに、左手の甲に針を刺されていよいよ促進剤の点滴が始まった。

1時間経過。
お腹の張りを示すグラフは、だいたい10分前後の間隔でちょっとした山を描くようになってきた。
そして、その時は確かにキューッとお腹が絞られるような感覚がある。
が、「痛い」というのは全然違う。お腹の内側からキューと吸引されているような感じだ。
間隔も一定しているような、していないような。

看護士さんが現れる。どうもこの程度では全然有効な陣痛とは言えないらしく、促進剤の
点滴量を増やされる。

今度は7分おきぐらいに陣痛の波がやってくるようになった。それでも相変わらず
痛いわけではなく、まだまだ余裕。

ビデオカメラに向かって笑顔で、
「まだ痛くないでーす。なんか、こうお腹の周りに紐をまかれて、ぎゅーっと縛られている感じかなあ?」
なんてのんきにしゃべったり、テレビを見たり。
よく、「陣痛が進むように歩きまわったり階段を上り下りした」という話を聞くのだけれど、
そうしたくても点滴中なのでそれも自由に出来ない。
これじゃあ「好きな姿勢で産む」どころの話ではないよなあ。

午後9時前。主治医の先生が登場。
すいませーん、お休みのところ。。。 しかもこのままだと出産は真夜中だし。。。 ちょっと申し訳ない。
でも先生の顔を見たらホッとした。同時にいよいよだ!という緊張感も高まる。

先生が来たところで子宮口の開き具合をチェック。「んー、2センチ、いや3センチかな。」
えー?! 昼からほとんど開いてないってことじゃん。 
まあ、5センチ開くまでが長いって聞くし、確かにまだほとんど陣痛らしい陣痛にも
なってないし、仕方ないのか。

しばらくしてまた促進剤の点滴の量を増やされる。
今度はさすがに効いてきた。
さっきまでは低く幅広の山しか描いていなかったグラフが、痛みの山とともにピーン!と
鋭いピークを描く。間隔も7分が5分になり、5分が4分に、、、とだんだん短くなってきた。


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