From クルンテープ

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2009年01月15日
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テーマ: タイ(3443)
カテゴリ: タイ便り

久しぶりに映画館で映画見ました。

よく考えたら、出産してからは初めて!

私が最後にタイで映画館行ったのは「おかまボクサー」パリンヤーちゃんを描いた
『Beautiful Boxer』を観にいったときでした。

とすると、、、5年近く前?!

長ーい沈黙を破って観に行った映画は 『Kwam Suk Kong Kati(カティの幸福)』

katiposter1katiposter2

以前の日記

原作は2006年度の「東南アジア文学賞」受賞作。
既に日本を始め、アメリカ、オーストラリア、ドイツ、フランスなど9か国で翻訳されているそうです。
日本語版は『タイの少女カティ』というタイトルで出ています。

ちなみに原作者のンガームパン・ウェーチャチーワ(Ngarmpan Vejjajiva)さんは、タイのアピシット現首相の実姉。

姉弟そろって「時の人」ですな~。

Kati(タイ語で「ココナッツ・ミルク」の意)は、9歳の女の子。

地方(アユタヤ県のどこか)の「水辺の家」で、冗談好きのおじいさん、厳しくも優しいおばあさんと暮らしています。

Katiの記憶には、おぼろげなお母さんの姿が残っているけれど
どうしていなくなってしまったのか、誰も話してくれない。
家ではお母さんの名前が出ることさえありません。

しかしある日、おじいさんが「Kati、お母さんに会いたいかい?」と言い出して・・・・・・

原作は児童向けの短編小説で、ストーリーもシンプル。美しい情景の中で、静かに淡々と展開します。

映画もまさにそんな感じ。

でも・・・・・

明らかに「お涙頂戴」といったシーンがないにもかかわらず、
私はもう、途中から涙線刺激されっぱなし
映画が終わるころには目がはれぼったいわ、鼻水は出るわで大変なことに・・・

いや、もともと私が超・涙もろいんですけどね

Katiがお母さんに再会するシーン、セリフもなく、涙もないのですが、
なんかね~、息子が時々無言で私にすがりついてくる様子を思いださせられちゃって、
そこでつい、ウルウルッと。

それに続いて、Genwaii Thongdeenok監督が

「もし自分が映画化の権利を獲得できなくても、このシーンだけは
クリップビデオとして映像化したかった」と語っている(#1)、
すべてを知ったKatiが泣きながら海辺を走るシーンがきちゃって、もうそこで私はノックアウト~

それ以降は観客の涙を誘う意図もないであろう、ごくごくさりげないシーンでもついウルウルきちゃって困りました。。。。。

ストーリー自体は(しつこく言うようだけど)あくまで静かに淡々と展開します。

また原作にかなり忠実なので、原作を読んだ人にとっては
もう次に何が起こるか分かっちゃってるという点で、
この映画は特に目新しいわけでも、エキサイティングでもないかも・・・・・・

でもとにかく映像が美しい!

監督もインタビュー(#1)で

「原作が有名すぎるので観客の多くがストーリーを知っている。
だから映画では原作の持つ繊細さや、甘くほろ苦い雰囲気を保ちつつ、
読者の頭の中にあるシーンを映像として描き出すことに専念した。
映像を通してストーリーを語ることにしたんだ。」

と語っているとおり、

(特に原作を読んだ人にとっては)ストーリー展開よりも、映像を通してKatiの世界を味わうところにこの映画の醍醐味があるんじゃないかな。

特にKatiが祖父母と住む「水辺の家」(アユタヤ県のどこか、という設定)の場面は必見。

料理の得意なおばあちゃんが料理する色とりどりの香辛料が並ぶ台所、

お坊さんが舟で托鉢にやってくる水辺の風景、

Katiとおじいちゃんが、舟をこいで蓮をつみにでかけるシーン

などは特に、色鮮やかな絵本をめくっているかのようで印象的でした。

Katiが通う、田舎の素朴な学校での授業や通学の風景もいい。

農村部の小学校を訪問したことがあるけど、ほんとにそのまんま。

バンコクに住んでると「今もこんな学校あるんだ?」と思っちゃうくらい
素朴で懐かしい感じがする学校風景なのです。

あ、あと、Katiを演じる女の子が、とってもキュート
前髪を短くしてるところもいいね~。

1000人を超える応募者の中からKati役を射止めたプロイちゃんこと
パソーン・コンミースック(Pasoong Khongmeesuk)ちゃん、実際は11歳だそうです。

将来は『フェーンチャン』でノイナーちゃんを演じたフォーカス・ジラクンちゃんのように活躍するのかな~。

このKatiちゃんのかわいさと、映像の美しさを楽しむだけでも私は満足でした

私が観た映画館では英語の字幕スーパー付きだったけど、
セリフもそんなに多くないし、そんなに難しいタイ語ではなかったので
タイ語の勉強のためにもイイかも

私も余裕があればもう1回観に行ってもいいかな~。



Bangkok Post, January 2, 2009






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Last updated  2009年01月15日 12時21分27秒
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Re:映画『カティの幸福』(01/15)  
Lamyai_daeng  さん
「ナーンナーク」を映画館で見た時、周りのタイ人がみんなストーリーを知っている中、ひとり体を震わせて涙した記憶が蘇ります。
この映画も素晴らしそうですね。ぜひ原作を読まずに見てみたいと思います~。 (2009年01月15日 12時02分50秒)

Lamyai_daengさん  
Phung  さん
>「ナーンナーク」を映画館で見た時、周りのタイ人がみんなストーリーを知っている中、ひとり体を震わせて涙した記憶が蘇ります。

「ナーンナーク」って単にホラー映画だと思ってましたが、それだけじゃないんですね。
(悲しく切ない運命に涙された・・・ってことですよね?)

>この映画も素晴らしそうですね。ぜひ原作を読まずに見てみたいと思います~。

どっちが先でもいいと思いますが、原作も読んで見てください。
日本語版は英語版からの翻訳のようなので、Lamyaiさんはぜひタイ語版でどうぞ!
-----
(2009年01月15日 16時21分57秒)

Re:映画『カティの幸福』(01/15)  
私が衝撃を受けたキャッチコピーというのはいくつかあるのですが、
その中でも上位に入るもののうちに中学校の時に見た、聞いた
(確か角川文庫だったと思いますが、)「読んでから観るか、観てから読むか」
みたいなのがあって、これまではやはり映画よりも原作が良い、
という感想を持っているのですが、今原作&映画、いずれにしても
凄く良さそうですねぇ~。タイ語は分からないけど、観てみたくなりました! (2009年01月16日 03時36分45秒)

Re:映画『カティの幸福』(01/15)  
タイの映画というと、アクション物っぽい物か
オバケのやつしかないのかと思ってましたが
(かなりの偏見ですよ。これは!)
こういう美しい映像でつづるのもあるんですね~
いいです。見たいです。

(2009年01月16日 11時07分29秒)

すみかは たびさん  
Phung  さん
>私が衝撃を受けたキャッチコピーというのはいくつかあるのですが、
>その中でも上位に入るもののうちに中学校の時に見た、聞いた
>(確か角川文庫だったと思いますが、)「読んでから観るか、観てから読むか」
>みたいなのがあって、これまではやはり映画よりも原作が良い、
>という感想を持っているのですが、

そうですね~。たいていは原作のほうが良かったりしますよね。
一応「原作」はあるけれど、映画は全く別モノとして制作してある場合(時代設定を変えたり、ストーリーが大幅に変わってたりとか)はまた違うかもしれませんが。
この本の原作者も、映画化には最初ためらいがあったそうなんですが、自身が映画好きなのと、「English Patient」という映画を観た時に原作と同じくらい素晴らしいと感じた経験があったことから、思い切って決断したのだそうです。

>今原作&映画、いずれにしても
>凄く良さそうですねぇ~。タイ語は分からないけど、観てみたくなりました!

映像だけ見ても楽しめますよ。
英語字幕もありますし(私は読むのが追い付かなかったケド。。。。)
-----
(2009年01月16日 18時44分04秒)

Re:映画『カティの幸福』(01/15)  
G! さん
とっても見に行きたくなりましたー。
が、息子を連れては無理だし、一人で行く時間なんてないので、DVDを買おうと思います! (2009年01月16日 19時28分07秒)

どっくまいまり~さん  
Phung  さん
>タイの映画というと、アクション物っぽい物か
>オバケのやつしかないのかと思ってましたが
>(かなりの偏見ですよ。これは!)

まあ、7,8割方そんな感じじゃないでしょうか。
あとドタバタコメディーとか。
が、最近(?)は結構秀作もあるんですよ~。

>こういう美しい映像でつづるのもあるんですね~
>いいです。見たいです。

日本でも上映されるといいですね。
各地のタイ・フェスティバルとかの催しなんかで
取り上げられそうですけどね。
-----
(2009年01月18日 00時45分18秒)

G!さん  
Phung  さん
>とっても見に行きたくなりましたー。

美しい映像に癒されました。。。。
バンコクの場面では、どこかで見たことのある風景も登場して、撮影場所を想像するのも意外に楽しかったです。

>が、息子を連れては無理だし、一人で行く時間なんてないので、DVDを買おうと思います!

そうですよね~。
小学生ぐらいだったらいいけど、幼稚園児にはあまり魅力ない映画だと思うので連れていけないですよね。。
私も映画館で一人でゆっくり映画を見られるのも、あと?週間。
-----
(2009年01月18日 00時51分54秒)

いいなあー  
チョムプー さん
お知らせありがとうございます!
とてもいいレポートですね~!
今私のブログ、トラックバックを閉じているので、本記事でリンクとともに紹介させてもらっていいですか?
見たいなーーー。 (2009年01月20日 09時14分03秒)

チョムプーさん  
Phung  さん
>お知らせありがとうございます!
>とてもいいレポートですね~!
>今私のブログ、トラックバックを閉じているので、本記事でリンクとともに紹介させてもらっていいですか?

いや~、本当につたないレポートでお恥ずかしいのですが・・・・紹介していただくのは構いません。

>見たいなーーー。

きっと日本でも上映される機会があると思います。
その前にタイでDVDが発売されるでしょうから、それをゲットするという手もありますね!
でも、できれば映画館の大きなスクリーンで見たいですよね。

-----
(2009年01月20日 18時26分28秒)

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Phung @ TH333さん >お魚につんつん、されたいけどこわいけ…
Tui☆ @ Re:温泉へ! ~自然満喫カンチャナブリの旅(その2)(07/19) なんと!タイにこんな本格的な温泉施設が…
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