太吉、まゆ毛を整える
中２の長男 太吉は３学期になって、
ようやく落ち着いて学校に通っています。
友達のことで悩み、部活のことで悩みしていましたが、
２学期の後半から随分表情も明るくなり、
玄関でため息をつきながら登校していくことが
なくなりました。
彼の年頭の目標は、
「学校を休まずに行くこと」
今の彼には、受験という事より、毎日普通に学校生活を送ることが
課題なのです。
それ以上を望んだり、考えてみようというのは
きっとプレッシャーになるだけなので
私は笑顔で見送ることにしています。
その先に大きな選択があるのは、同年代の子どもにとって
みんな同じ事。
その時の自分の力を精一杯出すしかありませんからね。
今から心配を口に出すよりも、
その時が来たら、太吉が自分で選んだ道を応援してやろうと
心に決めました。
ところが、母がそんなけなげな事を考えているのに
当の本人は、寝る前に私の部屋に来て、
「なぁ、まゆ毛整えるって、どうすんの？」
はぁ？！
「今日、クラスの女の子に、３回も『まゆ毛整えてこい』
って言われてん。
それに“修二と彰”の彰みたいな髪型にしてこいとか・・・」
「ハハハ、それって“太吉をプロデュース”ってことか？！」
なにはともあれ、一時話す友達がいないと嘆いていた太吉が
クラスの女の子とも軽い会話を交わせるように
なっているとわかって、ホッとしました。
これなら３学期はなんとか楽しくいけてるようです。
そこで、いちびりの母は、早速まゆ毛の整え方講座を開催。
かみそりと毛抜きを使っての実技を伝授しました。
太吉は、「え～～、そんなんしたら痛いやん。
ブチッ！（まゆ毛を抜く音）
痛った～～っ！！（泣）
ブチッ！
うわ～っ、もうこれぐらいでいいわ～・・・」
終わったときには、太吉の太いまゆ毛は確かに整いましたが
まぶたは、慣れないかみそりと毛抜きのせいで真っ赤っか（笑）
当分、まゆ毛をいじる気にはならないでしょう。イヒヒ
そう、色気づくのはまだ早いわい！
でもこの次、髪の毛カットに行ったら、言うんだろうなぁ。
「“修二と彰”の彰の髪型にして下さい！」って・・。
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