七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

太吉、熱を出してまで



むしろ、友達も多く、好かれている方だったと思います。

調子に乗ると、ちょっとやんちゃになる友達はいましたが、彼らは太吉と仲良く遊んでいるつもりだったと思います。

でも、太吉の方は、いろんな事が理解できるがゆえに、友達や先生がルールや約束を守らなかったり、いいかげんな対応をするのが、気持ちの中で、どうしても許せないところが出て来ていたのです。

普通は先生の対応や、友達の自分勝手な言動に違和感を感じても、そんなに悩む5歳児はあんまりいなかったと思います。

そう感じるようになるには、色んな要因があるとは思いますが、その中でも、感受性の強さが、ひとつ挙げられると思います。

太吉は生後10ヶ月の頃から、七田式の通信教育を始め、1才からは平行して教室の方にも通い始め、幼稚園の間もずっと続けて通っていました。

私もその頃は、教室の講師をしていましたから、小さい頃から、太吉が強い感受性やイメージ力を持っているのは、わかっていました。

感受性とは、いわゆる“両刃の剣”で、太吉は、楽しいときは人より楽しい感覚を豊かに共感できる反面、嫌だと感じる事には、ほかの子よりもかなりダメージを受けるようになっていたのだと思います。

私が、そうなるように育ててきたともいえるのですが、その時は、まだ太吉の感受性の強さが、マイナスに働いてるとは思わず、なぜこんなに逆境に弱い性格になってしまったのか、と過保護な部分の影響ばかりを考えていました。

だから、太吉がその理不尽に感じる思いを愚痴にしても、相手の事を考えようみたいな説教ばかりして、うまく同意して吐き出すことをさせなかったのです。

太吉にしてみれば、抗議しても、母は理屈でうまくなだめてくるし、泣いて暴れたりした日には、それらとのつながりが当時はわかりませんでしたから、やっぱり理屈でなだめていたのだと思います。

たとえば、弟にあたったり、戦いごっこがエスカレートすれば、いいかげんなところでストップを入れました。

大人だったら、本当に腹立たしい時、皿の1,2枚でも叩き割れば、気分がスッとすることあると思います。

そういう発散する機会をちゃんと与えられなかった太吉は、どんどん嫌な気持ちを処理できずに溜まっていったのでしょう。

もちろん、理由もなく幼稚園を休むことも許されませんでした。


そうこうするうちに、太吉はたびたび、朝になると熱を出すようになりました。

熱が出て、しんどいと言われるとしょうがありません。

幼稚園を休まざるをえません。

そして、幼稚園をお休みの連絡を入れてしばらくすると、ケロッと熱は下がり、すっかり元気になるのです。

何度かそんなことが起こるようになって、私も気づきました。

どうやら太吉は、幼稚園に行きたくないと強く思えば、具合が悪くなるのだと・・・。

えらいこっちゃ、そんなことしてたらほんまの病気になってしまうかも・・・。

そこで、やっと、私は、

「熱出すほどしんどいとは知らんかったわ。

わかってあげられなくて、ごめんな。

そんなに、しんどかったら幼稚園行かなくてもいいんやで」

と心から太吉に話して、謝りました。

すると、太吉は、静かに泣いて、

「もうええねん。僕にもなんでかはわからへん。でも幼稚園がんばって行くわ。」

といいました。

それからは、熱を出すことはなくなり、無事幼稚園時代を終えることができました。


やっぱり、親に自分の気持ちをわかってもらうということは、子供にとって、とても大事な事で、辛いことでも乗り越えようとする力になるのだと、思います。

逆に、わかってもらえないときは、体に変調をきたしてでも、気づいてもらおうとサインを出すのだと思いました。

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