七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

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3兄弟の恋 次男編 その2


兄の初恋相手のSちゃんが好きな仁吉は、

彼女が通っていると聞いて、

どうしてもその書道教室に行くと言い張りました。


そんな不純な理由で行くのも、いかがなものかと思うのですが

おもしろがりの母は、書道の先生に伺ってみたのです。


「年中からでも習えますか?」


返事は、ややご高齢の先生なので、長時間座れなくて手のかかる幼稚園児は

お断りされてるとのこと。


ただ、お試しでやってみて、座って落ち着いてできる子なら

年長さんから入れているとおっしゃいました。


仁吉は、まだ年中組です。


でも、話している横で、行きたそうな顔をしている仁吉を見て、

とりあえずやってみて、30分以上座れなかったらやめましょうと

おっしゃって下さいました。


私も、先生も4才で、いかにも元気そうな仁吉が、

字を書くだけで30分も座っていられるとは思っていませんでしたから

やってみて本人がお習字とはこういうものだとわかれば

あきらめがつくと考えたのです。


なんせ、動機も不純だし・・・。



ところが、お試しでうきうきと出かけた仁吉は、

1時間経っても帰ってきませんでした。


一体、なにしてるのやろ?!


ようやく帰ってきた仁吉は、

「先生、次も来ていいって!」


「え~っ、今までずっと座ってできたん?」


「うん!」


「それで、お習字おもしろかったんか?」


「うん! いっぱい字書いたで~!」


その後、先生からのお返事は、

「こんなに長い間落ち着いてしっかりできるとは、驚きました。

喜んで預からせていただきます!」

と、絶賛されたのです。


動機が不純なことは、もちろん言えませんでした・・・。


でも、Sちゃんのおかげで嬉々としてお習字を習い出した仁吉。


3才年上のSちゃんが、もちろん幼稚園児の仁吉を相手にするわけはなく、

6年生で書道教室を辞めはりました。


仁吉は、小5になった今も、その書道教室に通っています。


いつの間にか、5段の腕前になっていました。


どうやら書道は、仁吉に向いていたようです。


まぁ、肝心の(?)仁吉の恋は、書道教室に通いつつも、

早々に終わり、年長には違うお相手が現れるのでした。

<つづく>



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