七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

七転び八起き母ちゃんの子育て失敗学のススメ

三吉、行方不明の実態



親兄弟、友達、先生に、かなりの迷惑と心配をかけたのですから、

レッスンが終わって家に帰れば、

きっちり叱らなければなりません。


ただ今回は、幸い三吉の顔を見るまでに、時間がありましたから

さすがの私も冷静になることができました。


もし仕事がなくて、家にいたら久々に(?)

ライダーパンチをおみまいしていたかもしれません(笑)


帰宅すると、兄に落雷予告を聞いていたのでしょう。


三吉が、神妙な顔で、

「今日は、遅くなってすいませんでした。」

と、頭を下げました。


私は、ぎろりと三吉をにらんでから、居間に向かい合って

正座しました。


その場にいた太吉は、いよいよ雷が落ちると知って、急いで

「お母さん、窓閉めとこか。」と、部屋の窓を閉めて

そそくさと2階に非難して行きました。


私は、

「まず、遅くなった理由を聞こうか。」

と、三吉に事情を確かめました。


もしかしたら、三吉なりによんどころない理由が

あったのかもしれません。


それをきちんと聞いてから、対処の仕方を考えようと思いました。


ところが、三吉の話は、予想以上に最悪でした。


「学校でH君と、帰ってから僕の家で遊ぶ約束して別れてん。


でも、学校出て、家に帰る途中、先に家に着いたH君が自転車で

僕に追いついて来てん。


それで、僕が急にH君の家で遊びたくなったから、H君に

『おまえの家で遊ぼう』って言うて、そのままH君の家に行って

遊んでいました。」


「ふ~ん。じゃあ、時間通りに学校は出たんやね。」

「はい・・・。」


「最初はH君と三吉の家で遊ぶ約束やってんな?」

「はい・・・。」


「家に帰ってから追い着いてきたH君に、

三吉からH君ちに行こうって誘ったんやな?」

「はい、そうです・・・。」


「学校が終わったら、まずどうするんやったっけ?」

「自分の家に帰る・・・。」


「そうやな。それわかってたんやな?」

「わかってました・・・。」


「そしたら、なんでH君の家にわざわざ引き返したんや?」

「早く、遊びたかったから・・・。」


「それが、家に帰らなかった理由やったんか・・・。」

「はい・・・。」


そこで、私は大きく息を吸い込みました。

<つづく>

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