今日は小正月
暦では、今日は小正月。
小豆粥を食べたり、とんど焼きがあったりと
元旦からはじまった正月行事の最終日になります。
でも、なかなか昔の行事を家庭で忠実にこなすことは
できませんよね。
うちも小豆粥の代わりに、父ちゃんがおぜんざいを
作ってしまいました。
それって鏡開きにするんやんか～！
季節感を味わわせるのって難しいですね。
そこで、またまた『人生に必要な知恵は遊びから
春夏秋冬たのしいあそび１００』に掲載したコラムを
ご紹介します。
コラム ◇二十四節気と五節句のはなし◇
節句と言えば、３月３日の桃の節句と５月５日の端午の節句が、
すぐに思い浮かびますが、
全部で五節句あることはご存知でしょうか。
１月７日の人日(じんじつ)の節句、７月７日の七夕の節句、
そして９月９日の重陽(ちょうよう)の節句を、
合わせて五節句というそうです。
もともとは奈良時代に中国から伝わった風習で、
それが稲作を中心とした日本の生活と融合し、
季節の節目に農作業の無事を祈り、神様にお供え物をする
”節供“行事として定着していきました。
そして江戸時代になると、祝日として幕府に制定され、
日本の伝統的な習わしとしてそれぞれが意味を持つようになりました。
1月7日の人日の節句は、
春の七草を粥にして食べることで、1年の健康を祈ります。
3月3日のひな祭りは、
川に人形を流して汚れや厄を祓う女の節句、
端午は菖蒲の節句ともいわれ、“勝負”と同音のところから、
男の子の無事な成長を願う節句とされています。
七夕は、裁縫や芸事の上達を祈るもので、
短冊に願い事を書く風習は江戸時代から始まったそうです。
９月９日の重陽は菊の節句で、
長寿に効くという菊の花を浮かべたお酒を飲み交わし、
祝宴を催したといいます。
こうして見ると、五節句はお正月の七草、３月の桃、
５月の菖蒲、7月の竹、９月の菊と、
季節の草や木をうまく取り入れていることがわかります。
それらを愛でたり、食べたりすることで
心身ともに健やかにと願った昔の人たちの風習は
美しい四季のある風土とともに、
日本の伝統文化として語り継がれてきたのだと思います。
また、日本の暦の中には、五節句のほかにも、
旧暦や土用、節分、八十八夜、入梅と言った日本独特の気候や農業、
伝統行事と結びついた雑節など、
季節の移り変わりを知る節目がたくさんあります。
二十四節気（にじゅうしせっき）もそのひとつです。
あまり聞きなれない言葉ですが、
春分を基点とした太陽の位置によって１年を24等分し、
その節の日にそれぞれ季節にふさわしい名前をつけたものだそうです。
立春（りっしゅん） 雨水（うすい） 啓蟄（けいちつ） 春分（しゅんぶん）
清明（せいめい） 穀雨（こくう） 立夏（りっか） 小満（しょうまん）
芒種（ぼうしゅ） 夏至（げし） 小暑（しょうしょ） 大暑（たいしょ）
立秋（りっしゅう） 処暑（しょしょ） 白露（はくろ） 秋分（しゅうぶん）
寒露（かんろ） 霜降（そうこう） 立冬（りっとう） 小雪（しょうせつ）
大雪（たいせつ） 冬至（とうじ） 小寒（しょうかん） 大寒（だいかん）
こうしてみると、二十四節気は祝日になっているものがあったり、
季節の変わり目の特徴的な気象や時節として使われる言葉もあり、
今も日本の生活の中に根強く息づいています。
しかし、言葉としてはまだまだ耳にし、
学習の中に出てくることはあっても、
実際に五節句や二十四節気にちなんだ
行事やならわしを楽しむ機会は、幼稚園ではともかく、
学校や地域の中ではほとんどなくなってしまいました。
でも、子どもたちが四季の移り変わりを感じたり、
節句などの伝統行事を知ることは、日々多忙な現代だからこそ、
自然に触れ、生活を彩り、
世代を超えてコミュニケーションできる話題としても、
活用してほしいと思うのです。
五節句の日には、その由来やお話しをしてあげるだけでも
心に残るでしょう。
子どもにかかわりのない節句はなく、
全て健康、成長、長寿などの願いが込められた
日本の伝統的なパーティなのですから。
さらに、時節にちなんだ草木を採ってきて見せたり、
食べてみたりする時間を少しでもとってあげれば、
きっと「ねぇ、今日学校でね…」と家庭での話題づくりにも
なると思います。
二十四節気の節の日には、
どうぞ外に出て言葉通りの天気か確かめてみて下さい。
そうであっても、違っていても、
子どもたちが日本の四季を体で感じ、
考える貴重な時間になるに違いありません。
そして、日本の四季を楽しむ気持ちを
忘れないでいてほしいと思うのです。
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