Laub🍃

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2010.05.27
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カテゴリ: .1次題


 もうとっくに振られたと言うのにまだ諦めきれない。
 夢から覚めたら覚めたで地獄なのだ。明日も仕事が待っている、8時出社。
 気付いたら、彼女の名前と死にたい死にたくない死ねない頑張らなきゃを連呼していた。
 ぼそぼそ、ぼそぼそと。
 はっと我に返りそれを止めたけれど、周囲は相変わらずぐったりした屍の山だったので少しほっとした。
「次は、東京駅ーーー」
 あ、ここで乗り換えないと。
 そう思って立ち上がった瞬間、

という声が聞こえた。
 ばっと振り返ると、隣に座っていたお姉さんが慌てて照れたように頭を下げる。

「…ありがとうございます」

 申し訳なかったけれど、でも、とてもうれしかった。
 こんな俺でも、気にかけてくれる人が居るのだと。

 取り敢えず、生きようと思った。
 歩き出す。ホームに降りて、振り返る。
 閉まるドア、動き出す電車にぺこりとお辞儀をした。

 彼女のように、誰かを一言でも励ませるように、生きてみようと思った。

20130414...0
最終更新日 2015.07.18 02:30:35












カテゴリ:.創作文(投げっぱメモ)
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最終更新日 2016.09.18 20:20:19





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最終更新日  2017.11.06 21:27:26
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