Laub🍃

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2010.06.12
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カテゴリ: 🌾7種2次表
小瑠璃の独白

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「いま、それ、いる?」
「いらない。」



あの時からあたしの心には声が出てくる。


子供のようで冷静な声。
繭ちゃんのように冷静でのばらちゃんのように気が強くて茂のようにいろんなことを覚えてて雹くんのように甘くて草矢くんのように静かであかざくんのようにどこかコミカルで鵜飼くんのように有無を言わせないそんな声。


きっと夏Aはみんなそうだ。



メンバーが人によって違っても、重奏した声が頭に響いて、だから今日も狂わずに居られる。





それらは全て、あたしたち生き残った人間を活かすための声なのに、どうしてああなってしまったんだろう。

想いで舗装された素晴らしい道、かつてのあたしたちがあこがれた場所に立っているのにどうしてここまで足元がふらつくんだろう。
食い合わせが最悪だったんだろうか。
昔のあたしたちがバカだったんだろうか。



騙された。
そう思えば狂ってしまう。
捧げてきたものが無駄だと思いたくないのに、捧げないで済んだ道があったのではと思ってしまう。
無駄なのに。



喪に服して理性を失って、次は命を失うのだろうか。

「いま、いのちはいる?」
「いま、こころはいる?」



それでも、殉じられるものを持ったあたしたちは幸せなのか。
無駄じゃないのか。

いらないものが無駄だったのか。
いらないというこの声が無駄なのか。


それは考えてはいけない。








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最終更新日  2017.12.23 04:42:14
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