Laub🍃

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2011.02.16
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カテゴリ: .1次メモ
 掃除をしていたら、数年前の遊園地のチケットが見付かった。

 彼女から貰ったそれは、どうしても大事にしなきゃと思って当日まで目立つところに貼ってあった筈のそれで。


「……」


 これがあれば、運命は変わっていたのだろうか。


 絶対になくさないと言っていた俺が、結局いつものようになくしてしまったから、彼女は爆発してしまった。



「……きっと、同じだったよな」



 他のきっかけで、きっと。



 そう思うのに、自分を言い聞かせるのに、どうしてもどうしても蟠りは消えない。
 けれどチケットを破くことも出来ない。捨てられもしない、机の中にも入れられない。





 ふやふやだ。気付けばチケットが、目から垂れたものに浸されていた。



「さようなら」




ベッドの隙間に入れたそれは、他の数多の見てみぬふりをしてきたものと、混ざって消えた。





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最終更新日  2015.06.24 02:33:15
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