Laub🍃

Laub🍃

2011.02.20
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カテゴリ: ◎2次裏漫
僕を駄目にしたのは何だろう。
お節介焼きの幼馴染が朝起こしに来ることか。
大きくなったら距離が出来たことか。
見たことのない姿を新顔には見せてることか。

君のせいだ。
いや、違う。
僕のせいだ。

泣いても蹲っても変わらない現実の中、君はどんどん先に行ってしまった。
刺激が消えて、光がなくなって。深い繁みの中うさぎのように縮こまって。


僕はまた駄目になる。

君に責任を負われ過ぎて。
君が僕を責めな過ぎて。

僕はどんどん卑屈になる。

それを取り戻せる唯一の方法が、君の為に尽くす事なのに、君はそれもさせてくれない。

そんな有様で対等な友人扱いされたかったって無理だと分かっている。

同じクラスを取ってそこで顔を合わせることもはじめは楽しかったのに今では後悔ばかり。
あいつとはクラスが一つも被っていないのに一緒に居る。

頑張って君の立っていた頂に立てたのに君はむっとした顔をした。
同じように頂に立ったあいつにはいつの間にか心を許していた癖に。

だからせめて僕は教えられて応援する役になりたかったのに、僕は君を上に押し上げる役でいたかったのに、君は上ばかり見ている。信念や結果のために行動している。


忘れない僕と、見ないことで狂わないようにしていた君はずれていた。



だけど、だからこそ。
違う角度で見ているからこそ、像は立体になる。







仮定だらけの過程を今、糧にして、下底の少年をもう一人の少年はまた上に連れてきた。

子供の供養のための地蔵。それと表裏一体の虚空菩薩は記憶を司る。

「忘れない」

階梯の詰まった書物のような少年のページは、皮は、瞼は上から風化していく。


「駄目な所も、駄目じゃない所も、全部忘れない」

少年は、最期に少し笑った。
その風はもう一人の少年のまわりを巡って、安らぐようにして、見えなくなった。





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最終更新日  2017.04.13 23:45:13
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