Laub🍃

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2011.04.08
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カテゴリ: .1次題
キヨはショウから教科書を借りた。
宿題が終わらないとごねるショウの分からない所を教えてやるためだ。

「……お前、授業中に何やってんの?」
「え?授業中のキヨ描いてみた」
「お前なあ……勉強に集中しろよ」
「だってわかんないんだもーん」

キヨとショウの間には教科書の壁があった。
だからショウは気付かなかった。

キヨの顔は真っ赤になっていた。


キヨの性格を鬱陶しいと言ってくる幼馴染にとっては、キヨなんて出来るだけ目にしたくない存在だろうと思っていたからだ。

それなのにその絵の中のキヨはどうにも愛らしく、コミカルで、不真面目なショウの教科書の住人に相応しい出来栄えだった。


「…似てない」
「まあね。こんなにキヨ可愛くないもん」
「お前なあ」
「わはは」
「いっそ教科書の中に入って、お前に問題を強調してやりたいよ」
「落書きが一気に可愛くなく見えてきた」
「ざまあみろ」



数日後、この会話から着想を得たショウの教科書の中に、様々な恰好をしたキヨが登場し、強調の符号として使われることを、キヨはまだ知らない。




******








ショウ→キヨ:うっとうしい・おもしろい





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最終更新日  2018.02.24 02:16:56
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