Laub🍃

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2011.07.16
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カテゴリ: .1次メモ
「信じてください。私は何も知らなかったのです」
「知るか。それがお前の人生だ」

 そうして私の人生は藻屑となった。

 何も知らなかった。私は何もかも知らなかった。

 親が汚いことに手を染めて私を育ててくれたことも知らなかった。
 それがなくなったらどうなるのかも知らなかったのに私はそれを捨てた。
 汚いことをして生き抜く術も知らずに結局もっともっと汚くて馬鹿なことをして私は生きている。

 ごみのように扱われた。
 少しでも自分より下の人間を見つけてはごみのように扱った。


 涙なんて何の役にも立たない。

 そうして知った汚いことをひとつひとつ実践するごとに己の醜さが嫌になる。
 何も知らなかったあの頃に戻れたら。
 自分の醜さを知らずに居られたら。どんなに幸せだっただろうか。
 -ああ、もう、いいや。

「汚いほうが憎まれるほうが、楽しいって思えば、いいのね。そうやって生きればいいのね。分かったわ」

 ああ、全てを知って分かった世界はなんて楽しいのだろう。





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最終更新日  2016.11.07 16:37:56
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