Laub🍃

Laub🍃

2011.08.25
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カテゴリ: .1次メモ
勝ち目のある戦いばかりしてきた。
罪悪感はなかった。

相手はみな、「人ではない」のだから。

それでもときたま、ちりちりと心の底が焦げるような感覚にとらわれそうになった。

いや、駄目だ。これが一番効率がいいのだから。


勝ち目のない戦に、挑むほうが馬鹿なのだ。
そんな奴が、尊いなどと、思っては、いけない。

欲しいものがあった。
そのために毎日毎日、それを殺していく日々。


機械的な笑顔、喜び。
だがしかし、わたしもその同類なのだ。

ときたま負けるとき、少しほっとすることもあった。
負けて、負かされて、0に近づく。

神様が欲しかった。
神様はわたしに成果だけ残し、気持ちを与えるわけではなくても。
美しいその姿に釘付けになったのだ。

だからわたしは、小さなこどもを、毎日嬲るのだ。

殺されるための隊列に並ぶ無力なこどもに、じっとりとした笑みを浮かべて。


すべてが終わりひとりになったその世界は、以前、まだ勝つことと負けることが同一で、
なにもわからずただ戦っていたころの玉座とは違って、



蠅の、王。


たまに、最後のひとりにならないことがある。
以前は自分とは違った最後のひとりを睨んだが、
最近は「この子も、哀れな」と、ただ思うのだ。





こわい。



一人残されることが?

この恐れの感情すら通り越して、殺すことに何も感じなくなることが?

他の選択をできなく、しなくなることが?


こわい。


私が、どうしようもなく本能から遠ざかってしまうことが。



***









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最終更新日  2014.07.15 03:26:49
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