Laub🍃

Laub🍃

2011.10.23
XML
カテゴリ: 🌾7種2次裏
*わたしもせかいもかわりつづけている。



 地学の授業で、地震のメカニズムを見せる為の簡単な仕組みを作った。

 プレートが交わるところは、沈み込む方が覆いかぶさる方を巻き込んでどんどん奥の熱い所へ沈んでいく。
 そうして新たに生まれ出でるプレートの糧になる。
 地球は、こんなに深い所でも循環している。冷静な私の心の奥を熱くするものが、そうした大きな大きな規模のメカニズムだった。

 そうして、私らしくもなくやや抽象的なことを考えた。

 ふと思った、複数の皮で構成される地球の外殻は、沢山の矛盾で構成される人の心のようだという概念が頭にこびりついた。
 私はどんなプレートだろうか。冷静の皮を随分と長い事被っていて、結果人情の皮とやらを日々奥に沈みこませ続けてきたことが、思い浮かんだ。


 引きずられて等いないんだ。

 どうせ一人。

 そう思っていれば、私は傷付かない。
 誰も、傷付けない。
 巻き込まれていたら、いつかその力に自分がついていけなくなった時、地震が起こってしまう。

 それではだめなんだ。

 だから私は、覆い被さる原始の冷静さを守って今日も生きている。

 喩えそのプレートにいくつもの命が巻き込まれていても、気にしなければどうということはない。わざわざ傷付きに行く人に気が知れない。
 そう、ずっと思えばいい。

 けれどそんな私は、危険好きで存外人情に厚い涼と一緒に行動している。
 不思議なものだ。


 惹かれる。
 心の奥のマグマが、溶かされた鉄が、飛来する隕石をどこかで呼んでいるように。

 何かの変化を求めている。

 プレートを壊してくれるくらいに強い何かを。

 地震など気にしないくらいに新たにこれはお前だと知らせてくれる何かを。




 清々しいほどのピュアな空に、小瑠璃ちゃんが飛んでいて。
 近くの崖では安居くんが登っていて。


 底へ沈んでいく私とは別のいきものに見えた。

 感傷?羨望?
 私らしくもない。

 地面を我知らず踏みつける。

 物静かに、それでもたしかにその力を受け止める地面。

 私は、こうでなくては。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017.04.25 02:01:39
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: