Laub🍃

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2011.10.25
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カテゴリ: .1次メモ
 夢の中で俺は少女だった。
 地味目な女で、化粧映えするからと物心ついてからはゴスロリをちょっとエロくしたような恰好と化粧で自分を誤魔化していた。
 態度が変わらないのは陽気な幼馴染だけだった。
 ある日、幼馴染への恋心を自覚した俺は、夏休みのラジオ体操帰り、地味目な格好の俺に話しかけてくる幼馴染に対して、「うざったいんだよボケ、近付くな」と言ってしまった。
 地味目な格好は俺にとって完全なOFFの恰好で、感覚としては裸に近いもので、そんな俺にあっけらかんと話しかけてくるそいつがどこか気恥ずかしかったのだ。
 そうするとそいつはいつもは俺の暴言なんて笑い飛ばす癖に、その時は「そ、そうか……」と言って帰って行った。
 なんなんだよあいつ、わけわからん。どうして俺がこんな気持ちにならなくちゃいけないんだ。
 そう思いつつ次の日近所の私塾…俺の爺ちゃんの家だ、に勉強しにいくとそいつが居た。
 しかも、俺とのことを友達に相談という名の愚痴りまでしていた。「好きな人に拒否られた」と。



 いつものハイヒールと違ってがつんがつんなどと言わず、ぺたんぺたんと力なく鳴るスリッパの音は怒りを表明するには物足りなかった。

 俺は爺ちゃんの趣味の部屋、かけじくとかのある和室に入り、そこで勉強することにした。
 唐突に眠気が襲ってきて、
ーーーそこで、目が覚めた。

 どうして部屋にないはずの扉があいているんだと思ったら、そこは間取りの似ている俺の部屋で、実際の俺は21歳の大学生で。

「なんであんな夢見たんだ…」

 夢の内容と俺は全然違うのに、どうして幼馴染だけが一緒なんだろうか。

 俺は、男なのに。
 実際の幼馴染は、何度も写真見せる事拒否してたのに。

 ああ、鬱だクソッ。



 せめて女だったらあいつと付き合えたのか、ぱっと出の女に取られずにすんだのか。
 「失恋を慰めてあげる」って言うやつ、なんかと。
 そう何度も夢想したことがこっぱみじんに打ち砕かれた。

「……久しぶりに、連絡するかぁ」

 今度こそ、区切りがついた。友達としてならもう一度、やり直しがきくだろうか。









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最終更新日  2016.09.25 01:33:03
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