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長押綴

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2011.11.20

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コロニーから人を助けだそうとするが失敗し、結局独りしか連れ出せなかったタイムスリップヲッサン。
戻りたいと泣く子供をほどほどにあやしながら、コロニーに行って他の人も攫ってこようとするヲッサンだったが、そこにはもう誰も居なくなっていた。
そのことを告げると自分は切り離されたんだと絶望する子供。
無気力になる子供に「お前は何をしたいんだ」と訊くが、「友達と一緒に未来に行く」「先輩の言う通りに」しか言わない。
幼い自分と同じような状況に苛立つヲ。

＊＊
何度やり直しても、そのたびに子供は染まっていく。
窮屈で楽しみなんて限られた世界。

「ちょっと勉強できるからって
　教師に楯突きやがって…！
　反省しろっ！謝れっ！！」
「お前が先生に意見できる立場か？
　これまでお前を育ててくるのに幾らかかったと思ってる」
「皆シェルター作りと誤魔化すのに費用を使っているからね。無駄は出せない」
「そんな中で育てたんだよ。
　先生は君の為を思って言ってるんだよ。
　少し反省してもらおうか」

（あれ…？そんなことしていいんだっけ？
何となくダメなような…

普通なら痛くて辛い事で喜ぶ人間に＊年かけて変わってしまった子供たち。
普通の人間には異常なことでも、彼らにとってはそれが幸せなのかもしれない。

（いいよね）
（だっておれたちは、特別なんだから）
（普通じゃなくていい）

（考えるから、苦しむんだ）

＊＊

額には汗がにじみ心臓は軋み討つ
眼底から繰り返し刺す痛みが脚を留める
それでも俺は知りたい
恐怖の原因を…
＊年前の自分に何があったのかを…
それを確かめて初めて俺は前に進めるのだと

「お前…どうしてここに……？」
「一緒に休もうよ」
「そしたら二人でまた遊べるよ」

「そう二人で…二人きりで」
「ずっとずぅっと一緒にいるんだ」
「仲良く幸せに」

これからオレ…いや、僕はいったいどうなるのか

いや……どうにもならずこのままこの穴倉で…

そうだここは秘密基地…

二人だけの…

その時、硬いものを一定のリズムで打つ音が聞こえた。

「おい、そろそろ戻ってこい！何かあったのか！」

＊＊

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