Laub🍃

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2012.02.29
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人は人を損切する。

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これから得るかもしれない希望とかこれまで賭けた労力とか
そういうものを全部捨ててまで、縁を切ることで損切りする。

それほどまでに相手から得る可能性の高い損が大きいからだ。

喩えて言うなら壊死・暴走した細胞を切り離すこと、
とかげの「捕まえられた」しっぽ切り、
もう生きながらえる術のなくなった友人を殺すこと。
不謹慎かもしれないが、船に乗り込もうとした人を追いやって既に船に乗っている人が助かろうというのも損切の一種のように思える。


誰かとの付き合いを抑える・あるいは切って捨てることも損切だ。
そうでもしないと優柔不断になりかねないのだから、否定することはできないが、僕はその時に直面することが非常に苦手だ。

先輩に何年も前に損切されたことが今でも記憶に残っているし、
同じく相当昔に花一匁で一人残った時は遠回しに損切された気分だった。
10年前にボールを遊具の上に上った人に投げつけ、当たったら次の鬼と交代するゲームを学童の仲間とやったら、いつまでもいつまでも僕だけが誰にもぶつけられなくて、だから僕は自分で自分を仲間たちから切り離した。
僕は自分自身を損切したい衝動に駆られて仕方がないし、だからこそ損切をしない人に温情を感じる。それが当然になれば損切をされた時にショックが大きくなってしまうので当然にはしないで、常に自分を冷たい所に置くように自己暗示の努力をしている。
孤独が暫く続いて。初めて友チョコを貰った時は後で泣きながら食べた。とても嬉しかった。僕が友人として認めてもらえていることが。人間と認めてもらえていることが。損切されていない、見放されていないことが。
その後に、たっちゃんが誰かを損切しているように見えた時とても怖かった。心が広いと思っていたたっちゃんにそんな一面があったことが。
その1年後、僕は選択できないせいで、また馬鹿なことを考えていたせいで多くの人に迷惑をかけた。多くの人が私を損切した。
僕と巻き添えに損切された存在もあった。僕はその巻き添えの存在にとても申し訳なく思った。
2年前、それでも私を損切しないでいてくれる子が居ると認識できた。

1年前、僕は今までとは違う生き方をしようと決めた。
この一年で、損切をされたのかよく分からない。皆一様に損切を隠すのがうまくなったのか、それともしていないのか分からない。損切をされたことに気付かずのこのこ近付いて邪険に追い払われることが僕は恐い。
そうならない為には近づかないのが一番なのだが、寒くて寒くて仕方がない。誰か教えてくれないだろうか。誰も教えてくれないだろうか。
まだ半年も経っていないけれど、僕はどちらかを選ばなくてはならない時があった。
大事な存在が二者危篤に陥った。

選んだ片方ですら、私が眠っている間に逝ってしまった。
これを損切と称するのはあまりに無情かもしれないが、選択という言葉を使うのはどこか甘っちょろい気がする。

僕は結局選んだ。そしてそれは誤りだった。
二者とも、僕を待ってくれていた存在だった。
僕は今やこうして悔いることしかできない。


損切されたくない僕は同様に損切をするのも苦手だ。
損切された者の絶望的な表情が僕は大嫌いだ。
だけど、切らなければ時に事態が変わらないどころか悪化することもあるのだ。

考えてみると、僕は損切をするのが苦手だから、絶対に間違いのない、後で拾い起こす気の起きる可能性の低い損切をする為にあの方の手を顔を借りているのかもしれない。
あの方の顔を仮面に、あの方の声や口調を真似た「僕の良心」の言うことを聞けば、
僕は判断したその存在を憎まずに済むから。
責任を押し付けると言うよりは、あの方の権威を利用する形と言ったほうが正しいかもしれない。

私はこれからどう切るのだろうか。切られるのだろうか。
そこに必要なのは覚悟だろうか、忍耐だろうか、諦めだろうか、忘却だろうか。

最初のあの人が僕のこの頭のおかしい、並みの神経では公開しないであろう赤裸々かつ常識にそぐわない日記を見たら、「あの時縁を切っておいてよかった」と思うだろうか。損切りしておいてよかったと思うだろうか。


ーそれでも、あの方は。
あの方ならば、きっとそうはしないであろうと思うとー

僕は無性に幸せで、あの方に更に尽くせるよう頑張ろうという気持ちになるのだ。





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最終更新日  2017.07.18 10:34:30
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