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*データ整理してたらメモ帳から発掘した駄文。*
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謎はすべて解けばいいというものではない。
謎は霧だ。死体も悪事も悲劇も誰かの幸せな暮らしさえすべてをその中に呑み込み、「なかったこと」にしてくれる。
ゆえに、死体を悪事を悲劇を逃亡劇を、彼らは隠し救い続けた。
いつしかその集団は膨れ上がった。
彼らは各々を「秘密結社ミステリーズ」と自称する。
時に敢えて名乗り、捜査を撹乱し事件を迷宮入りさせる。
それが彼らの誇りだ。
人が人を裁けるか。応。
しかし、人が人を「完全に誰しもが納得できる」裁き方などできるのか。
復讐を裁くか。
誰かに押し付けられた悪事を裁くか。
どこまでを共犯者として裁くのか。
古い法で裁くのか。
新しすぎる法で裁くのか。
納得できないのであれば、隠そうではないか。
望まれぬ証拠を、みんなを不幸にする事実を、あわれな子羊を。
法が変わるまで、本当に裁かれるべきものが主戦場に立つまで、事実が明かされても無為に傷付くものが居なくなるまで……。
そして彼らは任侠やマフィアの如く、彼ら独特の世界を作り上げた。
ーそれを邪魔する沢山の者たちは皆闇に葬ってきた。
しかしてその実態は、行方不明という名の吸収ー内側に取り込むことだった。
弱みは大抵の者にある。
また弱みがない者が立ち向かってくる場合、大抵は「身内をやられたから」なのだから、その身内が生きていること、しかも内側に取り込まれ納得ずくでともに働いていることを教えればよい。
そして内側に入った者には保護をするが、外側に戻ったら太陽のもとを歩いてもらうと言えば大抵は逆らわなかった。
組織はいくつかの部門に分かれ、対立する者同士は互いの存在をできる限り見せないようにする。
また取り込んだはいいが使いようのない人々、隠すに値しなかったと後で判明した人々も居る。そういった人々を指導し直すことや放り出すことは、「組織長」に任せられた。
究極の弱虫の集団と、表を歩けない集団と、新手の監獄とも呼ばれるそこは、人一倍の慎重さをもって守られた。
その治安を維持する組織長は「The Mist」の遣い手、「The Mister」と呼ばれた。
そうやってきたのだ。
組織長に幹部、手下まで指揮系統ができ、巷では「ミステリー教」なるものまで作られた。
自分たちに手出しはしないが、どんどん世界を侵食してくる霧を人々は恐れた。食われたくないと自殺する者まで現れた。
世界が刻一刻と薄い藍色に包まれゆき、すべてが霧の手に落ちるかと思われたとき。そこに真っ赤なヒーローが登場した。
彼は己を「トゥルースレッド」と名乗り、霧に包まれゆく世界を圧倒していった。その不遜で傲慢とも言える真実の光を霧の中の者たちは畏れたが、同時に安堵してもいた。
全てが霧に包まれるということはすなわち、霧の中がより混沌とすること、「The Mister」の能力の限界に至ることも示していた。際限なく広がる世界が必ずしも安泰とは限らないのだ。
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しかし。そのトゥルースレッドは、首領その人であった。
「隠れんぼは、いつか見付かるからこそ面白いんだよ。それに誰も傷付かない世界なんて噓くさくない?」
彼はそうのたまった。あまりにうまくいきすぎてつまらないから最前線の兵隊をからかって遊んでいたなどと言われ、何人かの幹部と手下は額の血管をブチ切れさせ首領と首領に目を付けられた一平卒を追い出した。追い出された首領は対立組織「サスペンス」を作り上げ、霧に潜む彼らに世間にさらに新興組織「ホラー」などに対しても平等に、時に反社会集団「スプラッター」などとともに悪戯を仕掛けるようになったのだった。
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