Laub🍃

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2012.08.10
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カテゴリ: .1次メモ





と彼女は言う。


だから僕は「さめないよ」と返す。


そうすると彼女は笑みを深くして、僕に回した腕にこめる力を強める。





彼女はきっと夢ならばという言葉より、さめないという言葉を重視しているのだろう。
きっと彼女が今大事にしたいものが夢であるかもしれないということをもう気にする部分が心に残っていないのだろう。




僕はだんだんと、ここにかかる音楽を音を大きくしていく。そうすればそうするほど、
彼女があの世界から遠ざかるから。



この心地良い空間で一生を終えてもらう、それこそが彼女の幸せだから僕は彼女を目覚めさせない。


















今日もお休みなさい、




また明日君の夢の中で会いましょう。













何層もの夢の世界にもぐっていく彼女を追いかける僕。










最初の彼女はきっと振り返ったら遥か上にある水面に揺らいでいるのかもしれない。





もしかしたら魚に食べられて海の藻屑となっているかもしれない。






それでも僕は眠っている彼女よりも、まだ眠れない彼女のもとに行きたい。










彼女は眠りこそが幸せなのだから。
夢の中が現実になってしまったら、きっとそこで彼女はまた眠れないあの世界に逆戻りしてしまう。








底の無い意識の海に沈めなくてはいけない。







天に昇るような存在の軽さは許すわけにはいかない。







水の中に、胞の中に絡みつかせて絡み付いてでも















永遠に、良い夢を見せてあげる。





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最終更新日  2014.07.31 22:38:34
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