Laub🍃

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2013.05.18
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カテゴリ: .1次長











「だって、世界を肯定すれば生きるのが楽じゃない?」

俺は思えなかった。
彼のような世界の見方はできなかった。



だから、世界を変えた。




彼は、俺が世界を変えたのを見て、ぱちぱちと目を瞬かせてから、またこうも言った。

「君は凄いね。見ていて胸が躍るよ」

否定されなかった。
何故変えたのといわれなかった。
だから俺は嬉しくなった。
俺が認められたことと、彼を「救えた」ような気がしたことが。




俺は彼を他の世界へ連れて行きたかった。

色々な、俺も知っている断片的な情報でさえ、もっと美しい世界はあると思った。
美しい世界を、もっと綺麗な彼の言葉で紡いでほしかった。

世界を作った。綺麗な綺麗な世界、こんな感動の薄い俺でさえ浸れる世界を。








けれど。





「僕は、世界を沢山見るのには長けていないかもしれない」

「君は、君という一つを持っている」

「僕は、周りの世界が、存在だ」

「存在が膨れすぎたら、いつか限界が来て、弾けてしまう」

彼もまた、一人の限界を持つ人だったのだ。






彼は見出すことに才能を持っていた。








彼は泥溜りの中に幸せを探しに行った。






「君も幸せにね」









俺はと言えば、きらきらした周りの世界が急に意味のない、ただ表面を飾り付けただけの
ごみの山に見えてきて


ただ呆然とずっとそこに佇んでいた。













..........


最終更新日 2015.07.24 04:58:43





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最終更新日  2017.03.20 17:03:21
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