Laub🍃

Laub🍃

2014.08.09
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カテゴリ: ●BL
 原作:木原音瀬
 漫画:糸井のぞ

漫画

http://www.ama
zon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799713396
小説

http://www.ama
zon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799713388

何度





面白いです。シンプルな表紙と一見何だか分からない裏表紙に、読むほどに
シーンごとに「ああ、こういうことか」と分かっていきます。

今回は漫画のほうから読んだので、未だに原作未読なのですが
小説のほうも買いたいと思います。





植物系男子と動物系男子。

静かな宇野と、賑やかな村上。
けれど村上は賑やかなだけじゃない。
そして宇野は激しい気持ちを押し隠している。

そんな大学の同級生時代からしばらく経って出会った村上は変わっていて、
そんな村上に宇野は静かに接しようとするけれど、その行動にエゴを少し隠している。

そんなエゴを抱くに至った気持ちが丁寧に描写されていて、

宇野が報われなくても報われても話が終わりそうで
シーンごとに読み止めてしまう。

上げて落とす。

分かっているけれど、やはり気になってしまう。



え、こんな展開のまま残り何ページなの?


これでいいのか、とも思ってしまう。けれど綺麗にオチのついている恋愛ものが多い中で、こういった運びは少し新鮮だとも感じる。





無神経で、気を使えて、でもやっぱり神経質ではない村上。
それでもそういうところも好きで、余計に苦しくなる宇野。

村上の無邪気さは、絶望と同時に「これで良かった」と思わせてしまう分
ある意味もっとたちが悪い。


宇野はある意味クールなのかもしれない。他人にも自分にも。
けれどそれでも忘れることができなかった。

「見られている」だった大学時代からの、
「見てくれている」が、村上の変貌を表しているようだけれど、
村上は元々そういうところがあったのだろうか。

村上はある意味闇が深い。
忘れられないことを良かったと思っている。


見ること見られること見たいこと見られたいこと見たくないこと見られたくないこと。
一人になりたいこと一人にされたくないこと。
甘えられるのは甘えさせていたから。
一人では生きていけないのに一人でないと息苦しい。


こう言うのは難だが、パチンコの代わりに没頭する相手として宇野の手を握り締めているという部分もあるのではないかと思う。
パチンコはどこまでも機械的。
宇野はシンプルで静か。宇野は滅多に求めない。求められない。

どちらものめり込ませてくれる。どちらも興奮を与えてくれる。

だが、宇野には記憶があって、気持ちが薄く見えるけれど、確かに存在する。
拒まないけれど、痛みは現す。
人の反応を気にしてしまう村上にとって、感情表現が薄い宇野は少し苦手の部類に入るかもしれない。
けれど、傍にただ居るだけで癒されたり、たまに溢れる宇野の感情を見ることで
少しずつそのテンポに馴れていったらいいと思う。
そして宇野も村上の駄目な所と綺麗な所を繋ぐ部分が段々見えてくるようになったらと思う。

その後の二人にはまだ不安やもやもやが残っているようなラスト。
だが、お互いに少しずつ歩き出すような雰囲気も感じさせる。



ついでに言うなら、漫画版特有のことかもしれないが
独白・一人だけの時の感情表現を除くと宇野はかなり
読めない、何を考えているか分からない人間に見える。
見ようによってはどこまでも澄んだ泉のようにも思える。

それは宇野の個性であり、ある意味努力の結果でもあるが、
そのことがどう転ぶのだろうか、と不安と期待が半々な終わり方だったと思う。





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最終更新日  2014.08.09 22:41:11
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