Laub🍃

Laub🍃

2015.04.03
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カテゴリ: ◎2次表
顔も見たくないと言われた。

アンタなんて裏切り者の顔、見たくないと。

なのに別れないという。
これだから女の気持ちは分からねえ。
まあどうせ『制度』とプライドの為なんだろうけどな。


*僕に勇気を、君に愛を*


俺があいつにしたことは、約束の時間に遅れて行くことだとか、あいつんちの『合鍵』を落としちまったりだとか、あいつの期待する俺で居られなかったとか、そういうことの積み重ねだ。
俺に同情の余地はない。


だが、あいつだって子供っぽすぎるんじゃねーのか?


そんなことを思いながら街を歩いていると、山の上の神様が引っ越すとの噂を訊いた。

「やべえな、俺達捨てられるんじゃね?」
「まじかよ」

そう言って笑いながら、あいつ引っ越し何回するんだよと心の中で突っ込む。

ここに来た時だって引っ越しで来たらしいし。地方の守護なんてバイト感覚かよ。次はどこへ行く気だ。どこを目指してるんだよお前は。

ーこの街の人達がよりよき営みを出来るように支えるのが我が務めとか言ってたくせに。
ー他の街に行っても続く加護を付けるのが好きで、そこで民が守られることが我が誇りとか言ってたくせに。

自分さがしは10代の子供とか30代の脱サラリーマンとか60代の定年退職後のじいさんばあさんがやるもんじゃねーのか。
お前いくつだよ。今年で520歳越えらしいじゃん。
退屈しのぎに人を迷いこませておいて、日常の大半の時間を奪っておいて、いまさら何逃げようとしてんだよ。

ーそう思いつつも、年々参拝者を減らしているあいつのところでお祭りがあるとなると気になってしまうのがくやしい。


あいつがはなすまで、俺は離れるわけにいかない。

ゴミ溜めの中から見上げたあいつはとても綺麗だったのに、今では陳腐なことばかり言うJKにしか見えないのに。

放っておけない。-それは、きっとちゃっちい心と体を持った俺へのあいつの目と、きっと同じだ。

あーあ。謝りに行ってやるか。
カミサマに余裕がないのなら、寛大になってやるのがシンジャの努めなんだろうから。





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最終更新日  2017.08.16 16:14:49
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