Laub🍃

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2016.03.19
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カテゴリ: ◎2次裏書
亡くなった恋人に似た、儚い恋人ができたのは二年前のことだ。

俺は恋人を今度こそ守りたかった。

それなのに恋人は自傷と自虐を繰り返す。

俺と自分が不釣り合いだ、一緒に居ると汚してしまうと言って憚らない。

だから。

「……」
「…ただいま」

おかえり、と言う声はない。

薄暗い部屋、暗い目がこちらを見て光を宿す。



全て奪ったから。

奪わないと、恋人は自分の命を、心を、傷付け続けると思ったから。


「……」

最後に自虐ばかり繰り返す舌を奪おうとした時、恋人が言っていた言葉を思い出す。

「汚れ仕事をさせてしまったな」

とんでもない。

最早何もできない恋人を守り、助け、愛し続けるのは深く尊く、美しく、どこまでも正しい行為なのに。

そう言うと恋人は笑った。

そうか、だから君は汚れないんだな、と。





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最終更新日  2018.04.22 18:38:23
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