Laub🍃

Laub🍃

2016.04.06
XML
カテゴリ: 🍷流血女神伝
これまで、うまくいっていた。
私達家族は貧乏だったけど、きっとこれからも皆で一緒に居ればいろんなコトを乗り越えられるって思ってた。

なのに、お金というのはシビアで。

だから私達は、丁度いいタイミングで飛び込んだ獲物を罠にかけた。
幸い髪の色は似た系統だったから、取引は成立した。

あとはあの青年を始末して、一緒に温かいパンとスープを囲んで、お金の余剰で肉も買って、それならこの冬も乗りきれるはずだった。



それなのに。


…気付けば、運ばれていた。

兄さんが、父さんが血まみれになって、母さんの悲鳴がこだまして。


「おろしてよ…!このひとでなし!!」

早く戻って、泣いてる母さんと一緒に病院に行かないと。ああ折角、折角あと少しだったのに!
「ひとでなしはお前達の方だろう」
「何よ…!あんた達なんてどうせ行き場もないんでしょう!?」
「それは確かに事実だな。一宿一飯の恩義を返すぐらいならするつもりだったんだが……しかし、これはそういう段階じゃあないな」
「っ…とにかく離してよ、病院に、病院に連れていかないと」
「…あいつを売り飛ばして得た金で、か。…まあいい。お前がこれから本来行くべきだった所に行くんだから、好きにすればいいさ」
「……!畜生、あんた、いつか、絶対殺してやるわ……!」
「…出来るものならな」

結局、運ばれた先で私と身代わりにするつもりだった少女…カリエと一緒に奴隷をすることになった。三人とも馬鹿みたいだ、私が素直に行けば、カリエとエディアルドがおとなしく従っていれば違っただろうに。
だけど私達は売っただけだ、エディアルドは私達に血を流させた。

父さんの命。兄さんの腕。奪った落とし前を、必ずつけさせてやる。

どんな手を使ってでもあいつらを引きずり落とすことを決意した。



好きにして、やるわよ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.01.14 19:15:08
コメント(0) | コメントを書く
[🍷流血女神伝] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: