Laub🍃

Laub🍃

2017.08.03
XML
カテゴリ: 🌾7種2次裏
大人は嘘つきではないのです。
間違いをするだけなのです。





********





『おとなしくよごれろ』





※下衆の勘繰り注意
※下衆キャラ注意
※胸糞注意




********





僕は間違ってない。

これは、正当な、教化だ。



「未来に行ったらそういう判断を間違うなよ」



 信じられないような目付きで、僕のお気に入りと後輩のお気に入りが僕を見ている。
 ああ、心の奥底から笑みが湧いてくる。


 僕は狂っているのかもしれない。後輩よりも。

 後輩のお気に入りが目の光を喪っていく。
 同僚に引きずられるままだ。
 思考停止ーもしくは気絶したのかもしれない。



『いいですね』
『幸せそうで』


 そうだな、幸せなのかもしれない。




 彼らの後を追って僕のお気に入りは、ぎこちないながらも歩き出した。

 そうだ、それでこそお前だ。

 光がある限りついていく影。

 お前は未来でどう動くのかな。
 僕には関係のないことだが。

 未来でもきっと素直でないながらも助言をするのだろう。
 それが届かなくとも。

 そうして、邪魔者は殺すようになるのだろう。
 大義名分の為に。

 それが喩え一時的な邪魔者であっても。
 望ましい変化だ。

『だから言ったんだよ』
 こう言う時がとても待ち遠しかった。

 常に冷静さを崩さないお前が、ムキになる時。

 いつも隣の青年が絡んでいたな。

 青年を意識し過ぎて隙だらけ。
 他の事に注意し過ぎて隙だらけ。

 それなのに踏み込む愚かさ。

 年相応で可愛いと思ったよ。
 同時に未来に行けると信じる不遜さが僕の傲慢さと重なって懐かしくて憎らしくてね。


 どうだい?

 目の前で、喪うはずがないと思っていた光を喪うのは。

 それでも前に進まねばならない気分は。

 それが、唐突に滅ぶと伝えられた、未来に行けないと教えられた、僕達の気持ちだ。


 きっとお前達の行ける未来でも、お前達の前に光は存在しない。


 ざまあみろ。



 ……ああ、駄目だな。

 私情は抑えねば。

 抑えて、利用せねば。

 後輩が自信をもって語る、僕達の、子供の行けない未来の為に。


 これは、洗礼だ。
 これは、餞別だ。

 どうでもいい子供達と君は違う。
 守られるべき子供達と君は違う。

 だから君達には極大の悪意を捧げよう。

 僕は君達に恨まれる。
 君達は僕らを憎むことで、獣になれる。

 悪を知り、悪を行えるようになる。










ー17年前思ったその考えは未だに変わらない。

 我が子を未来に送ることが出来た今でも。
 シェルターに入り、他人の血と泥に塗れ生き残った今でも。

 獣でないと出来ないことがある。

 皆美しく死んでいきましょうでは出来ないことが。

 だから、人間臭い、外の世界と隔絶されているにも関わらず、奇妙に外の世界と似た部分を持った彼らに、後を託したのだ。





 未来で彼らはどうするだろう。
 僕の娘と顔を合わせてどうするだろう。



 ちゃんと「判断」をできるだろうか。




 ー間違わずに生きろ。




 間違わずに、切り捨てろ。

 倫理も枷も視線も全てを。

 間違わずに、汚れろ。

 他の奴らが出来ないことをしろ。



 「教師」になれ。



 僕が君達にとっての絶対的な悪であるように、僕の後に続いて、掃き溜めになれ。


 汚い大人として、絶対的な敵として、「反面」教師になれ。

 他の奴らを子供たちで居られるようにしろ。
 勧善懲悪の倫理を綺麗に保ってやれ。








 粉々になりながら、反吐の出るものたちと混ざりながら、断片的に思う。











必要。


集団の為。


未来永劫。



死んだ後も、


絶やすな。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017.10.25 07:30:45
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: