Laub🍃

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2018.01.03
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カテゴリ: ◎2次裏漫
「助けて下さい!」

そう言って逃げ込んできた中学生くらいの男の子。

「あいつを捜してるんだ。喧嘩別れしてしまったから、怒っているかもしれない」

そう言って泣きそうな、妊娠した女性。


どちらを信じるべきなのか。
結局彼らはその結論を出せず、男の子を匿い、身を隠す事、逃げる準備を手伝いながらも女性と話し合い、セラピーをする事、それらを同時進行させようとした。

その結果がこれだ。

私は本来彼女たちの前に姿を現すつもりはなかったのに……。


「先輩!生きていたんですか!!」



「……あんた、何で生きてるんだ」

彼女の腕を掴んで、私に銃口を向ける教え子の彼。

「…銃弾を無駄遣いするな」
「危険には迷わず銃を向けろって言ったのはあんただろ」
「……どうせ撃てない癖に」
「今ここで試してみるか」

ばかやめろ、なにやってる、という彼女の抵抗を適当にあしらいながら彼は私とやり取りを続ける。

「一般人に手をかけたのか」
「あんたらが敷いたレールだ。生命存続子孫繁栄他チームとの交流、全て思惑通りだろ?」

そうやって皮肉気に嗤う彼に、私は溜息を吐く。

「狂いや歪みに一般人を巻き込むな」

「……そうか。やはり私は、お前達を育てることに失敗したんだな」
「あんたが造った傑作だよ、あんたがその習性を愛さないでどうすんだ」
「赦すばかりが愛じゃない」
「裁くばかりも愛じゃない」

そう言って真正面から男が放った弾丸は、私の襟元を掠り、後ろの木にくぐもった音を立て突き刺さる。



だから手を出すな、と言って、彼女の手を引いて歩き去る彼を、私は静かに見送った。





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最終更新日  2018.12.28 00:49:22
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