Laub🍃

Laub🍃

2018.06.24
XML
カテゴリ: .1次題
裏表がない、そんな彼を好きになった。
そのはずだった。

無邪気な屈託のない笑顔。
全く取り繕わない様子。

そのすべてが、実は計算だったのだと、こうしておけば相手が無防備になるのだと分かっていて作られただなんて誰が思う。

それに気付いた時、すべてが無理になった。

彼が居ればいいと思って捨ててきたすべてを、取り戻す為に奔走した。

そうして私は彼に別れを告げた後、振り返らなかった。

振り返ればまた、嫌になるくらいバカで可愛くて、情けなくて放っておけない顔が待っているに決まってたから。



だけど私には芯がある。
取り戻したものもある。

だから歩いていくんだ。一人でも。





いつもそうだ。
いつも途中まではうまくいく。

この人と今までの人は違うと思ってくれる。
完璧主義な子、人間不信な子ほどそうだ。

はじめはそんな子に甘えられる自分が誇らしかった。

だけど、何故かいつもみんな何も言わずに僕の前から去っていく。

理解できない恐ろしいものを見る目をして。




ドラマの世界ではバカで計算の出来ない人が愛されていたのに。
裏表のない人が信用されていたのに。


だから僕はそうなろうと努力してきたのに。


いつもいつもそうやってみんな、裏がある方を、裏があることを隠さない方を好きになる。


……裏があってもなくてもどちらでもいい。




寒い。
誰か、助けて。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.08.06 02:38:37
コメント(0) | コメントを書く
[.1次題] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: