Laub🍃

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2018.08.13
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カテゴリ: 🔗少プリ
お盆の季節なので



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「久しぶりだね、直君」
「…………」
「無視しないでよ」
「……どうしたサムライ、熱でもあるのか?それとも夢に静流が出てきてその立ち居振る舞いに影響されたか?武士ともあろうものが軟弱なのではないか?いや、最近読んだ精神分析学に、知人を喪った事実を補う為、その知人になり切る人格が出来たという症例が掲載されていた、君はもしかしたらその類に罹患しているのかもしれない、だとしたら」
「相変わらず頭が堅くて神経質だね。こうは考えられない?
 地獄に落ちた僕が血の縁を辿って、貢君の体を借りて戻ってきたと」
「そんなことは認めない、科学的に有り得ない。サムライ貴様いい加減にしろ、その精悍な風貌で、普段じじむさい禁欲的な顔ばかりしている表情筋で、静流のようにふるまった所で違和感しか感じない、大体僕は静流と犬猿の仲だ、そうしたふざけた振る舞いを見せるならレイジ相手にでも」

「話したい事など何もない」
「こっちにはあるよ。君達……いつになったら関係を進めるの?」
「……黙秘する」
「…監獄を出て9年経ってるんだよ?僕らなんて煉獄の責め苦に慣れきってしまったよ」
「黙れ、貴様に話す義理はない」
「地下都市に移ってきて、個室も与えられてるっていうのにいつまでそんな関係続けるつもり?」
「無理に強いたくはない。僕はいつまでも待つ……おい、近付くな」
「つれないね」
「やめろ、触るな、サムライの顔でそんな悪い顔をするな……!」
「……っ!つ……」
「サムライ!サムライ、目を醒ませ!」

「心底余計なお世話だ!!いいから放っておけ!!!サムライ!!起きろ!!!」
「……な…お……?」
「サムライ!!」
「……俺は…今何を…」
「………心配させて…」

「泣いてなどいない」

***

「……あいつらまだヤってねーの?」
「そこらのメロドラマも呆れるくらいべたべたしてるくせに、ほんとなんなんだろーね」
『まあまあ、それぞれのペースがあるっすよ』
「あいつらじじいになってもまだあんなやりとりしてそうだよな~」





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最終更新日  2018.10.04 01:47:20
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