Laub🍃

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2018.09.07
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カテゴリ: ◎2次裏漫
彼は愛する青年と結ばれないまま死んだ。

なので神様に願った。

次は条件を変えてくれと。

生まれ変わった時、彼は女になっていた。
青年の生まれ変わりを半ば無理やり襲い、世間体を気にする彼を拘束する為妊娠した。
幸せに笑う彼の横で青年は虚ろに笑っていた。
そして彼に指輪を買う為に過労死した。
それは理由を付けた唯の自殺だったが、彼はそうとは思わず、青年にもう一度会わせてくれと祈りながら、崖に身を投げた。

そのままならお互いまだ幸せだったのに、彼らはもう一度何故か生まれ変わることになった。

青年は過去の記憶を有しており、もう二度と同じ手には引っ掛からない、もし襲ってきたら警察に駆け込むと言った。
彼には何の問題もなかった。彼には、青年の為に人生をやり直す準備ができていた。
彼は青年に知られないよう、陰に隠れて青年の恋を潰しまくった。
そうして何食わぬ顔で現れた彼をやはり青年は訝しんだが、最早疲れすぎていた青年は、彼の手を避ける事が出来なかった。
かくして彼はまた青年を手に入れた。
しかし数年後、彼に潰されたうちの一人が目論んだ火事で、二人とも焼け死んでしまった。

次に生まれ変わった時、彼も青年も女だった。
今度も青年を手に入れようとした彼だったが、彼が再会した時には、青年はすでに結婚し、妊娠していた。
夫を殺しても、子供を殺しても、青年は彼のものにはならないだろう。
そう踏んだ彼は、まず夫の友人になることにした。

人の好い夫。かつての彼のように危なっかしくて、青年の庇護欲を誘った男。


小さな踏切の途中でそれを告げた。
絶望した目でこちらを見てくる青年を見て、彼は心底嬉しそうに笑った。

やっと見てくれたと笑って、そのまま心中した。






青年だけが、後ろからぐいと引いてくれた人のお陰で生き残った。


青年は、目の前の彼を、昔の彼とはどうしても認識できなかった。



自分をそういう目で見てこない、どこまでも安全で、青年の幸せを望む子を。






腹からは、生まれ変わった彼が生まれてきた。

けれど自分だけを一心に見つめる青年を見て、これまでの蟠りが浄化されていくのを感じ、彼は青年の望む『彼』として振舞う事を決めた。



二人は生涯幸せに昏し、そしてもう二度と生まれ変わらなかった。





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最終更新日  2018.12.25 03:53:14
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