Laub🍃

Laub🍃

2018.11.06
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カテゴリ: .1次小
死にそうだった。

罪悪感と恥と寂しさで死にたかった。

なので取り敢えずはあの子を愛してみた。

愛している間は俺は何者かであったし、あの子に喜ばれる俺は生きている意味があるのだと思えた。

しかしある日あの子はそんな俺を拒絶した。

別にキスもねだってないし爪入りのチョコを送ったわけでもない、〇液のついた手で触れたわけでもない・

ただ少し。あの子のファンサについて知った顔で語っただけだった。

愛するだけでは足りなくて、愛している事を誇りたかった。愛しているからこそこんなにも理解できているのだと言い張りたかった。
それがあの子には気持が悪かったらしい。



自分よりイッてしまっている人が居るところではもめ事を起こし、
自分ほどイッてしまっている人が居ないところでは異様なものとして扱われた。

結局の所俺は尊いものに直接触れることなど到底許されない。
心の中でエールを送る事しか許されないのだ。

なので結局もう一度あの子の所に帰ってきた。
あの子は少し遠くなったけれど相変わらず輝いていた。
眩しくて涙が出た。

どうして俺はあそこに行けないのだろう。
どうして俺は何物にもなれないのだろう。
どうして俺は何も手にできないのだろう。
どうして俺は空の手をかつてのように誇れないのだろう。




俺は今日もあの子の為に働いている。

あの子に送るお金全てに今日もキスをして、どうか俺の存在の意味をつけてくれと送り続ける。





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最終更新日  2021.06.10 05:55:35
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