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長押綴

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2018.11.17

その澄ました顔をあんあん喘がせてやるよ！

革命の日

……な～んて息巻いてはや３年が経っちまった。

　これまで何度もレイジの機嫌がいい時なんかに上下ひっくり返ることを提案してきた。
　存外ノリのいいレイジは「仕方ね～なぁ」と語尾に喜色を滲ませて俺の好きにさせてくれる。
　だが、毎回。毎回毎回、俺がぺろぺろしててもレイジが喘がないまま、けれど気分は高ぶったからと「はい時間切れ～」と言ってくるレイジによっていつもの流れに突入する。

　冗談じゃねえ、なんて初めの内は言ってたものの、こうも続くと、そうして俺に突っ込んで抱き締めて大きな体を縮こまらせるレイジを見てるとこのままでもいいかなんて思う。どっちが上か下かなんて些末なことだ。
　まぁでもそれはそれだ。俺の目には俺の目の前で突っ込まれて喘がされるレイジがどうしても焼き付いて離れないのだ。

　たまに夢に見たりふとした時に思い返して焼けつくような嫉妬を覚えちまう。
　レイジが悪いわけじゃない。いやまあレイジもレイジで原因になってたとこはあるが、あのことで俺はレイジを責めたくはない。ただでさえボロボロな自尊心を更に叩きのめすような真似はしたくねえ。

　俺のタッパも伸びた、力もついた、そろそろ逆に喘がせて、上のレイジも下のレイジも俺のにしてえ。

　－ということで、だ。

「どうしたんだよロン、今回は趣向を変えたのか？」
「……」
「だんまりかよ。口でも力でも技でも勝てねえからってそれはちっとガキっぽすぎやしねえか？」
「なあ、ロン。ロ～～ン」

　以前もぶすくれてる俺にレイジがのしかかってきて「いれさせてやるよ」なんて言ってきたが俺は断った。お情けなんか要らねえ。あくまで俺の力で喘がせてやるって決めたんだ。

「俺は抱っこちゃん人形じゃねえけど……こんなくっつかれたらまたムラムラしちまうだろ、なのにこの体制は酷だぜ」

　俺は完全にだんまりきめこみながら後ろから抱き着いていた腕を動かし、レイジの胸をもそもそまさぐりつつ首筋にキスをはじめた。

「ロン……そんなんどこで覚えてきた？キーストアにでも訊いてきたのか？」

　やめろ、想像させんな。

　普段のお前の真似だよと言うのもなんとなく癪で、俺は黙ったまま手を動かす。
　不安なのかレイジはやたらと情けない声を上げてきて、妙に胸が空く。

　いつも当たって砕けろとばかりに俺にくっついてくる癖して妙な所で自信がなくて、俺の拒絶で簡単に壊れちまうレイジは世話が焼けて、それでも大事な奴で。だから何度だって俺はそんなレイジを文句こぼしながらも拾って集めて乾かしてくっつけちまう。

　俺は鍵屋崎みたく頭が良くねえし、サムライみたいに丈夫でもねえ。レイジみたいに強いわけでもなけりゃ、ヨンイルみたく器用でもねえし、凱みたいに人望があるわけでも、道了みたく支配するのが得意なわけでもねえ。

　だけどそれでも洗って乾かしてくっつけたレイジがなんだかんだ一番うれしそうな顔してくっついてくるのは俺だから、俺の小さい頃に満たされなかった心の部分が満たされてしまうのだ。

「……」

　俺がレイジを弄れる部分は年々広がってきてて、昔は皮膚を伝ったり頭わしゃわしゃしたりひきつけられる唇にがむしゃらに口づけするぐらいだったのが、最近ではそこらへんも触りやすくなったんだからそりゃよく触りもする。開拓者精神？ってヤツだ。

　あとはまあーーーーーここもだな。

　ひっそりと伸ばしたもう片方の手を脇腹を通って腰へ、腰骨伝ってレイジのモノへと辿り着かせる。

　前に咥えて舐めてやった時、先っぽばっか弄ったらちょっと面白かった。
　主に余裕のないレイジの様子が。

　だから今回もそうしてやる。レイジの声が段々と上ずってきて、俺をからかう声にも少し余裕がなくなってきた、気がする。

「は、」

　レイジの吐く息が白い。向かい合ってやりゃよかったかな、今どんな顔してるんだなんて思うけど向かい合ってたら多分流されていつも通りになってた。
　顔をこっちに向かせる。レイジの唇はいつも通りの弧を描いていたけど、その唇の端からはたり、とひそかに涎を漏らしていた。吸い付くと少し目を丸くしたレイジは「おーおー積極的だなぁロン」なんて言って俺を煽って来る。なんとでも言え。

　舌を絡める。少しレイジにとっては苦しい姿勢なんじゃねえかなんて思ったが全く気にしたふうもなく、目をとろんとさせてくる。くそ、気持ちよさそうにしやがって。俺の息子が元気になってくる。数年前初めて梅花を抱いた時から誰も抱いたことのないブツだ。

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