Laub🍃

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2018.11.18
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カテゴリ: 🔗少プリ
「そいつ」を見付けたのは全くの偶然だった。

 「たすけて」

 その声をずっと俺は求めていた。だからその部屋に危険も顧みず単身押し入った。無謀だと後から同僚からは笑われた。だがそれがその時は正解だった。下手に多い人数で押し入って存在を感知されていれば犠牲者が増えているところだったそうだ。

 その存在は頭の大部分を寄生生物に覆われていて、耳の穴から何か触手のようなものを入れられていた。
 腹は妊婦のように膨らんでいて、しかしよく見れば触手が浮き出ていて、尋常でない目に遭っていることだけは分かった。

 俺は持っていた麻酔刀で頭部と下腹部などに絡みついた触手を切り、触手が呆気に取られているうちに被害者を救助した。部屋を出てからぶるぶると体を震わせては触手を生み出していくその体。落ちる触手がまた俺たちを襲い、また部屋に残った触手も後ろから追いかけてくる悪夢。
しかしなんとか何もない小部屋に滑り込むことができた。

「……僕を…助けたのか」
「!無事か」


 助けた人間はどこか俺が喪った大切な人と似た、優しくて儚いまなざしをしていた。

「……低能だな。しかし低能だからこそ稀に予想外の働きをするというわけか…」

 続く言葉に返す言葉を失う。

「己の危険を顧みず他人を救えるお人好しなら……頼みたいことがある。僕のことは放っておいても構わない」
「なんだ」

 言い方にややとげを感じたが訊かないわけにはいかない。

「先程僕たちが脱出した部屋の奥、鍵のかかった小部屋に子供が一人閉じ込められている。もう三か月になる、食料もそろそろ尽きるだろう。頼む、救出してくれ。僕が囮になっても構わない。」

 こうして俺は更なる渦中に足を踏み入れることになったーーーーー。





***************************




2班直ちゃんとサムライとロンの関係性が好き過ぎるので衝動的に書きました。
レイジとヨンイルもこの後加勢して触手部屋通称二班は大爆発のち鎮圧されロンも無事救出されます。





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最終更新日  2023.07.16 15:34:55
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