Laub🍃

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2019.08.01
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XX10年、ある少女が誰も居ない所に標を立てた。それにはRootedと書いてあった。

少女は友人たちと暮らしていたDetourがどうにも肌に合わなかった。
そこで英雄、神とされる者の意向が合わず、どちらかというと邪神のような扱いを受けている者の方が少女にとってはただしく神のように思えた。

少女の名前はラナテラといった。


ラナテラを長として、少しずつデトルが肌に合わなかった者や、新たに他の地から漂流した者が寄り集まり、ルーテッドを強くしていった。


こぢんまりとした村だった。
それでもよかった。



デトルで英雄視されている一人、シレナも、ルーテッドの民の優しく穏やかな気質や、掲げる理念の一つには共感していた。
けれどシレナは新しくデトルにやってきた人々を裁くことーまたそれに対するアルインターノをはじめとした反発に丁々発止とやりあうことで忙しかった。





XX12年、プルチノという新たな民がルーテッドとデトルの境に暮らし始めた。
プルチノの理念は鳩派か鷹派かという一点を除けば、シレナと似たものだった。
しかしプルチノは荒神のシレナに接触することはついぞなかった。



XX13年、ルーテッドに新たな民が加わった。ホーラとヤファーザとエテルノ。
この三人は激しやすい性格だった。

ホーラとヤファーザとエテルノはデトルの非を肴に宴会を繰り広げた。

自称デトルからの難民による付け届けがあったことも大きいだろう。



永遠に秘密にされていたならよかったのだ。


ある日、プルチノと交流しているデトルの民ボナノッテがそれを聞いた。

ボナノッテは変に律義な性格だった。
そのためデトルの非のひとつとして数えられていた友人、トーポにそれを教えてしまった。



そのためデトルでは自由を謳歌し、その自由を与えてくれたデトルを心底愛していた。

トーポはルーテッド及び、ルーテッドの掲げる神の悪罵をデトルじゅうに掲げ、この問題を盛大に広めた。

そうして、長きにわたるデトルとルーテッドの争いは始まった。

国は同じ、けれど村と掲げる宗教が違うだけで、同じ源流の民がここまで激しい内戦を繰り広げるなど、誰も望んでいなかったのに。

周辺の諸国からはデトル・ルーテッド双方の治安の悪さに敬遠され、内戦地から亡命する者、難民として彷徨う者、戦い続けるもの、それぞれからもまた問題が現れて行った。








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最終更新日  2020.08.15 13:01:30
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