Laub🍃

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2020.04.21
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カテゴリ: .1次小
逃げたいけど逃げると何もできなくなる
逃げないのが唯一できることだから逃げないでいるけどどんどん周りに被害を与えている
誰かに助けてほしいけど今更誰も助けてはくれない
だから一人で頑張る術を身に付けたいけど私には何もない
誰も愛してくれない愛される努力をしていない
愛してあげる知ってあげるという奴らは皆去っていく逃げていく
そうして触れ回る「あいつは思ったよりもやばいやつだったから近寄るな」



*******


XXXX年、地球はゾンビに襲われていたーーーー。



私達は逃げ惑う人間だ。
仲間は近所のお爺さん、双子の少年、おばさん達。
それぞれの家族はとっくに散り散りになっているからお互いにそこまで面識もないのにーむしろ一部は仲も悪いのに、協力しあっている。


私の株は少なくともちょっとだけ上がった。
「引きこもりって言うからどんな子かと思ったけど、思ったよりましじゃない」

私が苦手なのは同世代の女子だけなのでそこは全く問題がなかった。
そしてみんな自分が生きる為に実利的な行動をしているから安全さえ保障されていれば裏切りあう理由もなく、とかくこの世は生きやすいと喜んでしまってすらいる。

「よしっ、ずらかるぞ」

食料をゾンビに隠れてこそこそとゲットした私たちは逃げ出した。けれどそこに新たにやってきたゾンビが立ちはだかった。囮つきだ。人間の。

あれは私をいじめてた首謀者の女だ。

「助けて…」



「待って、そこ!影、ゾンビがーーー」

お爺さんは私の声に素早く反応し、囮の陰から飛び出してきたゾンビの老人と取っ組み合いを始めた。

「暮!早く縄を!」
「はい!」

名前を呼ばれるとこんなにも嬉しい。



「お前は…」
「ごぼ…アツロウ兄ちゃん…ゴボゴボ…」

ゾンビはお爺さんの弟分だったらしい。
ということで弟分に実験途中のゾンビ対抗ウィルスを打ち込んだ私は首謀者の女を避けてお爺さんに常に寄添った。

お爺さんならこの女に騙されることはないだろうと思ってのことだ。

これから何がどうなるかは分からないけれど、せいぜい頑張って生き抜いていこう。





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最終更新日  2021.05.04 15:02:39
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