Laub🍃

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2021.11.29
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「この私を助け出すのなんて他の誰にでも出来るの。
 だから貴方は貴方にしかできないことをやってーーー勇者様」

 姫のその言葉を信じて俺は彼女を助けるでなく魔王を倒すことに専念した。

 けれど、魔王を倒していざ姫が囚われていた牢に行くと、彼女は無惨な姿で横たわっていた。
 犯され嬲られ刻まれ、今はモンスターの餌になっているところだった。

「最後まで一人でどうにかすると奮闘していましたよ。ああ、貴方が頼りにならない勇者君ですか。魔王様を倒すことはできても、好きな女ひとり助けることができなかったようですね」

 そう告げる牢屋番を惨たらしく斬って、刻んで、彼女よりもずっとぐちゃぐちゃの塊になるまで嬲った。ー---けれど、それで、彼女をよみがえらせられるわけでもなく。

「ごめんな。ごめんな……」

 俺は周囲のモンスターの胃袋も漁って、彼女だったものを拾い集め皮の袋に入れていく。



 魔王城をあとにして、むかうはあの教会の光。





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最終更新日  2022.11.26 18:09:21
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