Laub🍃

Laub🍃

2021.12.08
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カテゴリ: .1次小
大事なものほど僕の手の中から消えてしまった。
 僕の手の中にあるのはがらくたばかりだ。

 僕の手の中にあるものを僕は大事にできない。
 僕の手の中にあるのは壊れたがらくたばかりだ。

 僕の手に大事なものが近付いたら傷付けたくなくて遠ざける。
 僕の手の中にあるのは壊れたがらくたばかりだ。

 自分が貰っているものを他の人も貰っていた。
 僕が貰った手の中にあるものはがらくただから悔しくなんてない。
 あの人も僕も特別などではない。




 僕はその愛し方しか知らないから、大事なものを殴ることしかできない。
 だから僕では幸せにできないものを僕は遠ざける。
 そんな優しい君が好きだと言ってくれた彼は疲れて壊れてしまった。
 そんな過去があってもめげない君が好きだと言ってくれた彼は疲れて逃げ出した。
 だから僕は誰も求めず期待しないことにしたのだ。

 僕の手にはがらくたしか手に入らないと。残らないと。
 -残ったのはきっとがらくたなのだと。
 だから、失っても惜しくはないと。

 そう思うことで自分を守ったつもりだった。

 がらくたの檻に。がらくたの繭に。包まれて今日も僕は眠る。

 無価値な僕にお似合いの城。



好意を受け取れない人の話。





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最終更新日  2022.12.08 01:39:30
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