子どもの寝息をBGMに

子どもの寝息をBGMに

2006年10月03日
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ベビーカーに乗った*ももたろう*は、両手を「おてあげ」風に肩の高さに挙げ、ぼんやりと眺めています。それから、痛いのか関節が硬いのか、4本の指をそろえてじんわりと動かし…次の瞬間…肘の裏側をポリポリと掻き始めていました。首の後ろやあごの下、汗をかいてかゆいのか、伸び放題の爪でガリガリ、ガリガリと掻くものだからカミソリで切ったように傷になり、私は慌てて*ももたろう*の両手に手袋を戻しました。

精算を済ませていよいよ入院棟へ。エレベーターから降りると、デイルームでいつも声を掛けてくれていた大好きなオバチャンが待っていてくれました。オバチャンは昨日再入院してきて、明日から抗癌剤治療のラスト・クール。*ももたろう*に会えて頑張れそうだと言ってくれました。*ももたろう*が退院した後も、シンタローたちはオバチャンと*ももたろう*の話をしていたそうです。でも、子供たちはもう、デイルームでは食事をしないんだとか。デイルームは入院患者以外の小学生以下は入室禁止なので、*ももたろう*はもう入れません。スタッフステーションに挨拶をしていると、シンタローや付き添いのママたち、野球少年とその母、サト君たちが会いに来てくれました。*ももたろう*は病室にもプレイルームにも入れないんです。2週間ぶりに再会を果たした少年たちは、携帯で写真を撮ったり*ももたろう*を抱っこして膝に載せたり、手を握ったり、お昼ご飯の時間まで、楽しそうにお喋りをしていました。

野球少年は脳に水が溜まるので腰に針を刺したりと不安要素も多かったのですが、今日は点滴も外れてしっかり歩いていました。最新型の携帯電話を買ってもらい、*ももたろう*の写真を撮ったり動画を撮ったりして大喜び。後頭部に残る大きな「コの字」の傷跡がなければ、誰も大手術の後とは思わないでしょう。野球少年は、8月の検査入院の際は「6号室には行きたくない。病院で友達を作る必要はない。プライバシーが大切だ。一人で静かに(マンガ)本を読んでいたい」と言っていたのに、今は個室を出て6号室に入り、シンタローたちとオモシロオカシク暮らしています。「*ももたろう*がいる間に夜食会に参加できなかったのがくやしい」と何度も繰り返しているとか。4センチの腫瘍と一緒に、心の殻も取り除いてもらったのかな。*ももたろう*はどうやら、お兄ちゃん同士、お兄ちゃんたちとオバチャンたちを繋ぐ架け橋になっていたようですね。

シンタローは金曜日に退院が決まったそうです。浮かない顔をしています。退院が嬉しい子供ばかりとは限りません。ガンバレ・シンタロー!

12時過ぎに病院を出てバスでJR駅まで。そこから無料バスでショッピングモールへ。バス停にはリョウ君一家(父除く)が迎えに来てくれていました。リョウ君の家はショッピングモールの近くなのです。マクドナルドでランチをする間も、ベビザラスで(ウインドウ)ショッピングをする間も、リョウ君のママやお姉ちゃんが*ももたろう*を代わる代わる抱っこしたり4歳の弟がベビーカーを押したり。*ももたろう*はリョウ君家の4人目の子供みたいです。

み~んなに可愛がってもらって大満足の*ももたろう*は、遊び疲れて家に着くまでグッスリでした。2年前、初めて県外の病院に行ったときは、1ヶ月も前からイラスト入りで日程表や持ち物リストを作り、ミルクを飲ませるタイミングやオムツを替える場所まで計画してピーンと気を張っていたのに、今回の旅はとてもリラックスしたものでした。「行く」というより「帰る」という感じ。友達がいるところはどこでも、*ももたろう*の家なのです。1ヶ月後にまた会えるかな。





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Last updated  2006年10月06日 00時24分17秒
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