トドのつまりは・・・

トドのつまりは・・・

2009年06月27日
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カテゴリ: AV
デジタルビデオカメラの記録のメディアとして、ビット単価を除くと、信頼性や寿命、安全性などの面で半導体メモリ(内蔵フラッシュメモリ、または、メモリカード)の優位性は別格で、ゆるぎないものがある。

その次となると、世間では、どちらかというとHDDの方が安全と思われていて、DVDは最も不安定で危険なメディアだと思われている節がある。
これは、価格.comなどの掲示板や色々なブログで、正確な知識もなく、感覚だけで「振動がある中でDVDが正しく書けるわけがない」という「鉄の塊の飛行機が飛べるわけがない」というのと変わらない理屈を信じて発言する人たちがいることが大きい。
しかし、それは間違っていることを、これから解説したい。

HDDは、回転する磁気プレートを、非接触の磁気ヘッドで読み書きする。このとき、HDDのプレートと磁気ヘッドの隙間は約0.1μしか空いていない。
それでも、通常は、プレートの回転による気流の力によって磁気ヘッドは浮上しているため、多少の振動ではヘッドがプレートに接触することはない。

しかし、強いGが掛かり、もし接触してしまうと、ディスクに傷がつく。それだけではなく、接触したとき、傷で発生した粉や気化した物質が拡散し、接触した箇所以外にも汚染を広げてしまう。もし、別の箇所にゴミが拡散し、それにまた磁気ヘッドが接触したりすれば、さらに汚染が拡散する。これを繰り返すことで、HDDの磁気面はどんどん壊れて行くのだ。
なので、HDDをちょっとでも傷つけてしまうと、そこをバットセクターとして使用しないようマークし、交替セクターを使用したとしても、その先の寿命を確実に縮めることになってしまう。

また、衝撃によって、精密なモーターの回転軸に負荷が掛かり歪みが生じると、うなり音が大きくなったりするが、ある程度は磁気ヘッドのサーボなどで補正したり、読み込んだデータを信号処理でエラー訂正してくれるため、正常に使える。


やっかいなのは、HDDの場合、ドライブに衝撃を与えて、そのときは大丈夫に思えても、ドライブ自体がその後使い続けるうちに、正常に動作しながらも内部の環境が徐々に劣化し、突然壊れてしまうことだ。

もちろん、重力センサーで落下を検知し、落下中に磁気ヘッドを安全領域に移動するような工夫をしているHDDもあるが、これも、ビデオカメラを直接何かにぶつけたような場合は、救えない。

私自身、HDDタイプの音楽プレーヤー(iPodやGigabeat)では、何度も痛い目に合っており、iPodなんかは、2年以内で2回もHDDが壊れた。もうポータブル機器でHDDは使いたくないというのが実感だ。

さて、それに対し、DVDドライブは、どうだろう。
DVDドライブのレーザーピックアップのレンズから、ディスクは1mm以上離れているので、よっぽどのことがない限り、レンズがディスクに接触することはない。(接触したとしたら、ピックアップ自体がひん曲がる程の衝撃があったときだが、それはドライブが破壊されたというべき。)

トラックピッチについても0.74μmと、0.1μmを切るところまできているHDDに比べれば広く、振動に対しサーボで補正できる許容範囲も広い(サーボ方式の違いもあるので、単純な比較は出来ないけど)。

また、ディスクへの書き込み自体も、実は、常に書き込んでいるわけではない。
MDなんかも同じ方式なのだが、大部分の時間はドライブを止めて、大容量バッファメモリに溜め込み、バッファが一杯になりかけたら、ドライブをN倍速で回して高速に書き込む。書き込んだら、またドライブをとめるような間欠書き込みの制御を行っている(AV雑誌で日立のDVDカメラのエンジニアがインタビューでそう言っていた)。
実際、HR10でも、手に伝わる振動を観察すると、まさにそのような挙動をしていることが分かる。
だから、HDDと違って、実際に撮影していても、実際にドライブが動いている時間は全体の1/Nでしかなく、それ以外のタイミングで振動を与えても、ディスクに障害が起きることはない。

また、書き込み中についても、サーボから外れるような振動を検知したら、レーザーを瞬時に止めれば、ディスクに被害は及ばない。
BURN-Proof 」やヤマハが開発した「 SefeBurn 」といった、2001年時点で既に確立した技術があり、DVDでもこの応用技術は当たり前に使用されていて、書き込みが中断しても、シームレスに書き込みを再開することができる。

なので、DVDドライブで、ディスクが破損するようなトラブルと言うのは、元々ディスク自体が不良品の場合か、ドライブが壊れるほどの衝撃がビデオカメラに加わった場合ぐらいであり、実は、HDDなんかより、振動に関してはかなり強い、というのが、私の結論だ。

なお、DVDディスクについては、メモリカードやHDDと違い、外にさらされるので。ほこりや汚れの影響で、記録エラーが起きる可能性は、大いにあり、それは間違いなく弱点である。
それを避けるには、屋外で使うときは特に、交換時にメディア面に触らないようにして、ビロード布などで一拭きして、汚れを取ってからビデオカメラに装着するべきだろう。また、ピックアップも、クリーニングディスクで定期的にクリーニングすべきだろう。

スーパーハードコート処理 されており、一拭きすれば、付着したゴミで傷つくことはなくゴミや指紋は除去されるので、その点は心配しなくてよい。

さて、HDDよりDVDの方が振動に強いと言う根拠、判っていただけただろうか。
感覚的には、「DVDなんて安全に書ける訳がない」と思っていた方で、多少考えが変わったという方がいれば、ここまで書いた意義があるので嬉しいな。

まあ、既に半導体メモリ記録タイプが主流になった現在、HDDか?DVDか?なんて、目くそ鼻くその議論であり、あまり意味がなくなってしまったのも事実なんだけどね。

追記)どうやら、過去の製品のトラブルを検索すると、SONYの初期のDVDビデオカメラは、書き込みエラーのトラブルが多かったようだ。SONYのDVDカメラは、日立に比べて後発だったので、最初はエラー回避のノウハウ蓄積があまりなかったのかもしれない。ということで、中古のSONYのDVDビデオカメラはオススメできないようだ。





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最終更新日  2009年06月27日 01時51分03秒


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