トドのつまりは・・・

トドのつまりは・・・

2012年10月15日
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カテゴリ: その他


今回、久々に木工をしてた時に、ホームセンターのカットサービスについてWebで調べていたら、やたらホームセンターに、精度の高いカットを要求して嫌がられる人がいるようだ。

図面を見ると、一つ一つのパーツにガチガチの数値が入れてあり、しかも、工作機械によるカット順や、のこぎりの歯の厚みを考えたとは思えない板取りだったりすると、「悪いのは、ホームセンターの人じゃないな」と思うケースも多々ある。

昔は、お店のカットサービスなどなかったので、私は、工作するときは、自分でのこぎりを引くか、精度が欲しい物は、頼み込んで親の電動丸鋸を借りて、カットしていた。
私自身は、力もなくて、重い電動工具をガチっと支えきれず、どうしても寸法からズレたり、斜めに切れたりと、へたくそだった。
ただ、へたくそだからこそ、それでもなるべく、まともに組み立てられるよう、板取りの上で工夫をしてきた。

昔、 長岡鉄男 というオーディオ評論家がいて、この人の作るスピーカーシステムの板取りが、そうした素人でも作れるノウハウが詰まっていて、随分この方のノウハウを学んだと思う。

「素人木工は、加工精度を板取りと組み立て方法でカバーすべし」というのが、私の素人木工ノウハウだ。

そのノウハウについて、メモしておこう。


2.正確な長さが必要な板のカットを行った残りは、できるだけ残りの板の余裕長をそのまま生かす設計にする
3.1回のカットする長さを、なるべく長く、できるだけ一辺をカットし切る設計にする
4.複数枚の板を重ねて、まとめて1回でカットできる設計にし、カット回数を減らす
5.裏側の補強板などの精度が要らないカットは、自分でカットする

今回の板取り図を再度掲載すると、この通り。
  • ita.jpg
まず、ペーパーカッターの台は、握りの取り付け部分も考慮し、39x53cm以上あればいい。
一方、テレビ台は、Rec-pot(28cm幅)とLT-H90(21cm幅)を、補強込みで横並べて置けるために、54cm幅あればよく、奥行きは本当は40cm欲しいが、最低限35cmあればテレビの脚がほとんど乗る。内寸の高さは、8cmあればRec-potなどは十分収まり、12cmだとテレビが高くなりすぎるので、10cmぐらいか。

絶対に守りたい寸法はこれだけであり、それ以外は、サブロク合板の半分サイズ(90x90cm)の板をなるべく無駄なく活用できるよう板取り設計を考える。

テレビ台は、本当はもっと横幅を取りたかったのだが、板面積が足りず、試行錯誤の結果、外寸が56cm弱(W)x13cm(H)x35cm(D)というところに落ち着いた。
高さ13cmというのは、内寸の高さが10cmで、上下の板の厚みを足して13cmとなる。横幅も、Rec-pot(28cm幅)とLT-H90(21cm幅)に加えて、側板と中央の仕切り板の3枚の厚み4.5cmを加え、さらに余裕を見て55cmとなった。ここら辺の寸法がすっきりするのは、1.の効果だ。

一方、ペーパーカッター台は、合理的な板取りを考えて、テレビ台の横幅に合わせ、55cm(W)x40cm(D)とした(ペーパーカッター台の方の工作については、既に 別の記事

現実的に板取りを決めたのはテレビ台の奥行きで、テレビの脚を乗せるには必要最小限の35cmしか取れなかったが、これ以上深くすると、肝心の横幅が足りなくなるため、割り切った。ただし、板取り上は、(A)の板を55cmで切り取った残りを、すべてテレビ台の奥行きに割り当てるようにした。
90x90cmの板で、1cm程度は余りがあるケースが多いため、2.のノウハウに基づき、その余り分も、なるべく35cm+αで奥行きに割り当てる設計にしたのだ。実際に出来上がったテレビ台の奥行は、35.7cmとなった。
また、裏側に、補強板を張り付けたため、その厚み1.5cmが加わり、実質上の奥行は37.2cmで、テレビ台が完全に乗り切る奥行になり、しかも、テレビ台を置く出窓の奥行42cmに対し、ケーブルの引き回しスペースだけ残し、奥行きをフルに活用できるサイズとなった。

板取図の丸数字(以下の分では、()付きの数字)は、工作機械による切断線とその順番を表す。
まず(A)の55cm幅で(1)をカットスルーし、次に、カットされた2枚の板を重ねて、まとめて55cm幅で(2)をカットすると、(B)の板が2枚取れる。

最後に、もう一つの(C)の板に、(D)の板を重ねて、10cm幅で(5)(6)(7)の順にカットする。
(D)の板は、裏側に貼る補強板なので、10cmという幅には厳密な意味はない。あくまで、カット工賃を節約するために、(C)の側板の高さ10cmに合わせてカットしただけのことだ。

このように、4.のノウハウを使うことで、カット回数を減らすことができる。
なお、今回の店は、板を重ねてカットしても1回の料金しか取らなかったが、お店によっては重ねた枚数分、カット料金を取る店もあるかもしれないので、事前に確認しておいた方がいいだろう。

結局、カット工賃は、7か所×20円=140円で済んだ。

組み立て図は、次の通り。
  • kumitate.jpg
今回の板取りでは、天板と底板(B)は、同じカットで切り出せなかったため、サイズにずれが出る可能性があり、側板(C)と一緒に切り出した方の板(B)との組み立てを先に行う。この組み合わせなら、ほとんど誤差なく組み立てられるはずなので、その後で、もう一つ板(B)を取り付ける。
完成後、今回は、(B)の板の奥行きに1mmほどの誤差があったため、見た目も考え、大きめにカットされていた方の(B)の板を底板にした。

また、側板(C)は、カット後に高さを比べてみて、わずかに誤差があったので、一番背が低い板を中央の支持板に使い、それ以外を側板に使った。
こうすると、テレビを載せた時に安定する。
誤差はつきものと思って、組み立てで工夫をするのも、素人工作のやり方だ。

裏の補強板(D)は、最後に、補強で釘で打ち付ける。
組み立ての時、表側の面を揃えれておけば、裏側は多少凸凹があっても見えないからどうでもいい。
少しの凹凸ならやすりで削ればいいし、大変なら、多少段差ができてもそのままにしてもいいだろう。補強板が釘とボンドでしっかり打ち付けてあれば、強度に支障はないから。

このように、多少の誤差を許容できる板取りを工夫してあれば、多少、カットの精度が悪くても、組み立て時にカバーできる。

なお、ここまで書いたような板取りに関するノウハウって、ある程度木工経験がある人にとっては、常識的な話も多いと思うし、そういう方にとっては、「何を、こんな常識を、エラそうに書いてんだ」と思う方もいると思う。

ただ、今回、久々に工作をするにあたり、参考にWebを検索してみたら、驚いたのが、ホームセンターのカット精度に文句を言っている人がやたら多いことだ。

しかも、実際の工作内容を読んでみたら、板取りの設計が下手っぴで、設計を工夫すれば、カット精度に左右されずに物を作れるのに・・・と思わざる得ない事例が散見された。
「最近は、素人が物を作るときの板取りのノウハウなんて、常識じゃないんだ」と分かり、今回、敢えて、初心者向きにノウハウを書き残してみた。

自分で切っても出ない職人芸の工作精度をホームセンターに要求し(しかも1カットがたった20~30円だ)、それに文句を言うのは、私は、やっぱり筋が違うと思う。
素人のDIYは、誤差が出るのを見込んで設計し、誤差が致命的にならない組み立て方をするのが、一番賢いやり方だと思う。

意図を組んで、ノウハウをご活用いただければ、と思う。


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最終更新日  2012年10月15日 18時09分14秒


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