キツネノテブクロ

マクラルパッカー

（ホームページはこちら）↓

http://www.sugita.or.jp/

名古屋の繁華街の真ん中にありました。
松坂屋デパートもすぐ近くでしたよ。

　名古屋駅からタクシーに乗ると、タクシーの運転手さんも
「ああ、杉田眼科ね、あそこは全国から患者さんが大勢くるんだよー。」
と誇らしげに語ってくれました。

　病院は6階建てくらいの大きなビルで、
とにかく患者さんの数が多くて朝一番から待っていても
診察は午後ということらしいです。
でも診察前の検診も充実していて、とにかく検査の種類も機材も多く、
最新の設備と内容を兼ね備えている、という感じでした。
とっても混んでいるけどスタッフも多く、テキパキと流れている感じでした。

　私はなんと、杉田大先生（70歳くらい？）自らが執刀してくださることになり、
「大丈夫ですよ。」と、ニコニコしてお話してくださいました。
”たいしたことない、なんでもないですよ”と余裕の貫禄でした。

　一日目は検診で終わり、手術と入院の日取りが決まり、
いったん岡山にまた新幹線で帰り、また1週間後くらいに名古屋に向かいました。

　手術は部分麻酔で、入院も4日ほどと短期でした。
手術室は手術待ちの患者さんがベットに寝かされて、
緑色のカバーがかけられて、まるで魚市場のマグロのように、
何人も待機していました。ほとんど流れ作業です。

　手術の様子もビデオに撮影されて、家族が待機室で見ることが出来ます。
私は東京から母が来てくれました。

　手術室にはクラシック音楽が流れ、
先生はリラックスして次々と手術をこなしてらっしゃいました。

　まず、目のふちの奥に部分麻酔のぶっとい注射を打ってくれました。
「これは痛そうだ・・・。」と覚悟しましたが、
ツボを押さえているというか、全然痛くありませんでした。

「やっぱり名医だわ。もうすべてを先生に任せよう！」と思いました。

　手術は、目に小さな針のようなメスを入れるんです。
メスを目の奥深くの網膜まで入れて、そこで処置をする訳です。
そんな怖いこと・・・、とガクガクものですよね。
これは一生忘れられない残酷な虐待体験みたいになるんじゃないかと、
本当に覚悟しましたよ・・・。それも部分麻酔だなんて・・・。
意識があるんだよー。

　でも、手術はとってもきれいで気持ちの良い、すばらしい体験でした。
目を開いたまま固定されるのですが、
目が乾かないように水が流れています。
強い光も当てられ、視界はすべてきれいなセルリアン・ブルーになりました。

　まず、眼球の中の水分が抜かれ、新しい水分が補給されるのですが、
その水分の流れがとてもきれいなんです・・・。
グレーの水の流れが見えました。

　目の中にメスが入ってくるのですが、
そのメスのシルエットが見えました。
何本も、用途に合わせて次々と入ってきます。
網膜の皺をそおっと、そおっとめくるメス、
カサブタのようになった網膜の皮をつかむメス、
はがすメス、残った皺を丁寧に伸ばすメス、見事でした！　

　私の手術の様子は別室で生放送のモニターで
母が見ていました。
母も、いろいろな形のメスが目の中に入って
処置をしていく様子を見たと言っていました。
すばらしい技であったと絶賛していました。

多分手術の様子は録画もされて
別の患者さんへの手術の説明の時などに
使われるのだと思いますよ。

　手術は大成功！　
杉田先生の自己採点は、
「うーん、85点くらいかな？　ちょっと皺が残ったんだけど、
これ以上触ると剥がれそうだったからねえ。」
とおっしゃっていましたが、全然！　
視界もとても良好。
以前と全然かわらないくらい、完全に完治したんですよ！　　

　という訳で、現在私が普通に生活して、
車を運転できて、パートにもいけるのは
杉田先生のお陰です。
本当にありがとうございました。感謝しています。

　3度も手術したのは運が悪いといえば悪いけど、
でも成功率2パーセントの手術に大成功したのは運が良いともいえます。
結果的には良かったと思います。

　それから身体障害者になりかかったわけですから、
障害を持つ方々のことは他人事とは思えないです。
誰でもいつ何があるかわからないものです。

　普通に生活していけること、家族が健康なこと、これが一番ですよね。

＜マクラルパッカーとは？＞

網膜剥離術後に、黄斑パッカー（Macular pucker）になる事がある。
網膜剥離が無い場合には、特発性黄斑上膜
（おうはんうえまく、おうはんじょうまく）と呼ばれるが、
黄斑上膜と黄斑パッカーは違う。

黄斑パッカーとは、網膜裂孔から網膜色素上皮がこぼれ落ち、
硝子体腔に沢山散布され、それが黄斑部に溜まって薄い膜を形成し、
その結果網膜の皺が発生して視力障害を引き起こす疾患。
その為、特発性黄斑上膜よりは視力改善率が低い。
手術によって、この皺を伸ばす手術を受けられると、
今よりは少し視力の改善が見込めるが、
この手術は難しいので、失敗すると網膜剥離を再発して、
増殖性硝子体網膜症という疾患に変化して、完全失明もあり得る。
勿論、網膜上膜形成症でも同じ手術を行うが、
こちらは視力の改善が割と見込る。

基本的に、薬や食事療法では治らない。
最終的には手術療法しかない。
視力は落ちていく一方。
視力が低下しすぎると、手術しても治らないことが多い。

この手術はとてもリスクが高いので、
充分説明を受けてから硝子体手術を受けること。
多分、白内障手術も同時にすると思う。
現在眼科で最も難しいとされる手術。

やはりこんな手術に成功したなんて、
名古屋の杉田眼科さんはすごいですね！

現在、この手術から8年がたっています。
今視力は良くなっていまして、０．４くらいです。
コンタクトレンズ（ハード）を普通に使用しています。
定期検診にも行っていないし・・・。
ちゃんと行かなきゃなあ・・・。

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