おぢさんの覚え書き

おぢさんの覚え書き

2018.11.17
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カテゴリ: 近代
安倍首相は遠からず憲法改悪を持ち出してくると思われる。彼は憲法とは「国のかたち、理想の姿を語るもの」であると何度も主張している。
これに対して、憲法とはそもそも国家権力を縛るものであり、安倍首相の考え方は間違っているという声が寄せられている。

(教えて 憲法)国家権力しばる「立憲主義」 (朝日新聞)
憲法理解できぬ安倍首相に改憲語る資格なし (志葉玲)

改憲派からは、首相の意見を擁護して、「民主的な選挙によって選ばれた権力者の権力が縛られるのはおかしい」、「縛られて、何もできずにすっころぶ。こんな憲法狂ってる」というような声が聞かれた。
民主主義であるから、元々「権力を縛るためのもの」だった憲法を「国の理想の姿を語るもの」にした方がいい。と国民が思えば、そうなるのは当然であるが、近代民主主義を産んだ世代の人間にとってそうした事態は全くの想定外である。このことは、安倍晋三氏も恐らく感づいている。

2014年2月3日の衆院予算委員会で安部晋三氏は「憲法について、考え方の一つとして、いわば国家権力を縛るものだという考え方はありますが、しかし、それはかつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方」と発言している。
絶対権力 」を持っているのに「国家権力を 縛るもの 」があるというのはおかしい。実際は王権が絶対権力を持つことへの反省から憲法というのは産まれてきている。イギリスの権利の章典は名誉革命時のものであり、フランスの人権宣言や憲法も革命後である。
王が絶対権力を持っていた時代は、王が好き勝手に戦争して、好き勝手に課税するろくでもない時代だった。だから憲法でそれを変えた。それを元に戻せば、また権力者が好き勝手にできるようになる。という単純な話だ。当時の民衆は未来の我々を見てため息をつくしかない。人類は200年の記憶を持たない。

この憲法とは?論議を眺めていて、おぢさんは少年の頃に読んだ『第二の地球へ』というSF小説を思い出した。巨大な宇宙船が舞台の話で、その宇宙船は第二の地球を目指して、長い間宇宙空間を飛び続けている。しかし、宇宙船内の住人は何代か世代交代しており、自分たちが宇宙船に乗っているということさえ忘れている。そろそろ着陸準備をしないといけないのだがどうなってしまうのでしょう。。。という示唆する内容の多い面白い話だ(もう少し詳しい話はこちら、 「"The Star Seekers (1953)" by Milton Lesser」 (英語の読めないSFマニアの原書落ち穂拾い))。

われわれはこの宇宙船の住人のようだと感じる。近代民主主義という巨大なシステムの乗員でありながら、その設計思想を忘れてしまっている。時代は変わり状況も変わるのだから、政治も変っていくのだろう。しかし、近代民主主義は全体がバランスをとるように良く考えられた巨大なシステムである。設計思想・基本設計を踏まえない変更は禁物だ。

さてと、80年前に戻るか。

本当に日本の国を思う者は、日本の現状と世界の現状とを、ありのままに見なければならない。
真実に立脚しない理想は空想であり妄想であり、飛んで火にいる夏の虫である。
日本国民は真実を知り、真実に耐え、真実を発展して行く十分なる素質と実力とを有する。
p.82 昭和14(1939)年「巻 頭 言」『近きより2』第三巻第三号<四月号>
​
世界の、あるいは、亜細亜のまんなかで咲き誇る日本という思いの為に、日本の現状と世界の現状を直視できない、真実を知ることができない当時の日本人を見て、正木氏はこの文を書いたのだろう。80年経って日本人は少しは真実を知ることができるようになっただろうか。おぢさんには全く変わっていないように思える。日本だけでなく、世界の民衆も3世代を経て先祖返りしたようにさえ感じる。

正木氏はこの号で自身の中国旅行を予告している。この旅行で、中国を自分の目で見て、知ったことが彼を大きく変えたようだ。以下は古賀正義氏による「近きより」の解説文からの引用。

この旅行を境目にして、正木の論調から排外的愛国主義が消え、「鬼畜米英」という種類のキャッチフレーズが流行した――というよりも使用を強制された――時代になっても、彼は敵の美点長所を見る必要を説くまでに成長する。
p.406 古賀正義「解説」『近きより2』
​


旅行の目的は、新しい日本の姿を見て来たいというのが第一です。
 満州事変、支那事変以来、旧来の「日本」という概念が著しく変更して来ました。東京、大阪が二つの中心であった楕円形の日本が、急にくずれて広大な多角形になったようです。
 とにかく一度見て来なくては「日本」という文字が生き生きしません。百聞一見に如かずという気分に襲われます。
 第二の目的は、少し呑気な時間を味わいたくなったのです。
p.83 昭和14(1939)年「近きより 1 生まれて始めての航海」『近きより2』第三巻第三号<四月号>
​
近きより本文と編集後記に記されている訪問予定の都市を結ぶと以下のようになる。1939/4/8か9に東京を発ち。4/10正午神戸出航。4/12上海着18まで上海に滞在。それから先ははっきり決めていないものの、上海から南京に行けたら南京へ行き、青島、北京、大連、奉天、新京、ハルピンを見学し、朝鮮を経由して5/10頃に帰京というプランだ。

​ ​
正木氏の中国旅行予定ルート




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Last updated  2018.11.17 22:44:35
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たそたそ@ Re:土器-編年(02/14) こんばんは。 ブログのチェックされてない…
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おぢさん@ Re[1]:土器-編年(02/14) 上毛野形名さんへ 長いこと返信もせず失…
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