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人間を信じる (岩波現代文庫) [ 吉野源三郎 ]
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これは数の問題ではありません。多数決できまるような問題ではありません。人間の数多くの行為の中から、明るいものと暗いものとをひろいあげ、それを貸借対照表のように両側にならべておいて、その決算をやってみても、それでこの問題の答えを見つけることはできないのです。
p.18 吉野源三郎「ヒューマニズムについて」『人間を信じる』(岩波現代文庫版)
人間はどういうものなのか、ということが問題だとすると、善人も悪人も共に人間であって、しかもここでは、悪人が善人をしめ殺しているのです。そればかりではありません。この問題にかけては、かりに善良な人間が百人のうち六十人を占め、悪い人間のほうは四十人だとしても、――いや、善良な人間がもっと多く、圧倒的な多数を占めたとしても、少なくとも少数の悪人があるというだけで、すでに「人間はみんないい人だ」などという甘い人間観はなり立たなくなるのです。
p.17 吉野源三郎「ヒューマニズムについて」『人間を信じる』(岩波現代文庫版)
人を信ずる事はそれ自体が善いことで、人を疑う事はそれ自体が既に悪いことのような感覚を植えつけられている善良なる人々は、たやすく人に欺かれて不幸な目に遭うものである。信ずべきを信じ、疑うべきを疑うことが正しいという教育を小学校時代からしなければ、現代の日本には生息できないであろう。
p.265 昭和14(1939)年「近々抄」『近きより2』第3巻第10号<11・2月号>
人間がどんな醜いことをしたにしても、また、どんなすばらしい事業をやったにしても、それはそうせざるを得ないように人間以上のものからあらかじめきめられていたからであって、彼には、それ以外に選択の余地がなかったからだ、ということになってしまいます。どんな悪事も彼の責任ではなく、どんな善事も彼の功にはならないのです。人間はただ神の手で動かされてゆく将棋の駒のようなものになり、人間の人間らしい自由は、どこかにいってしまうのです。
p.38 吉野源三郎「ヒューマニズムについて」『人間を信じる』(岩波現代文庫版)
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ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来 [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]
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▶北支派遣……岡野秀夫氏より『久シ振ニ「近きより」ヲ見マシタ。相変ラズ心臓ノ強イコトヲ言イ、理想ニ燃エテ居ラレル姿ヲ思イ出シテ北支ノ一角カラ一筆呈上シマス。斯ク言ウ小生実ハ直接私用デ会ッタリ話シタリシタコトハ一度モアリマセンガ、本年五月半バ迄東京民事地方裁判所ニ居リマシタノデ、毎月無償デ彼ノ小ッポケナ雑誌ヲ送ッテ貰ッテ居リマシタ。今デハ山東省ノ○○ニ一軍属トシテ兵隊ト寝起ヲ共ニシテ居リマス。ソシテ新東亜建設ノ大進軍譜ヲ直接拝聴シテ居ルノデス。東京デ下ッ端官吏トシテ惨メナ生活ヲシテ居ル時ハ、先生ノ言葉モ行動モ(キビキビシタ様)モ実ニ気持チヨク受ケ入レタモノデシタ。トコロガ此ノ二、三ヶ月ノ集団生活デ都会ノ泣虫小僧ノ駄々トシカ聞エナクナリマシタ。御免、』
p.252 昭和14(1939)年「誌友だより」『近きより2』第3巻第9号<10月号>
80年前より―その63(『近きより』をな… 2020.02.22 コメント(6)
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小野寺秀也さん