鍋・フライパンあれこれ美味
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
903257
HOME
|
DIARY
|
PROFILE
【フォローする】
【ログイン】
銀の月の孤城
第3章優しい魔女は世界を捨てた
男達は、獣にでも襲われたように、身体中に鋭い爪あとが刻まれていた。
「バ、バケモノ・・・・」
ルドルフが駆けつけたとき、ヴォルフリートがちょうどテレポートしている所だった。みられた、とヴォルフリートの顔に緊張感が走る。
・・・・ねえさんっ。
ヴォルフリートは木の上に飛び乗ると、すぐに、地面に着地し、行動に移した。
テレポート・・・こいつ、異能者かっ。
ルドルフもすぐに行動を移し、異能者が苦手な銀の十字架をヴォルフリートの前にさらしたが、ヴォルフリートの鋭いけりが早かった。
「ディルク!!」
「はい、ルドルフ様!」
ルドルフの従者、ディルクがすぐにヴォルフリートの攻撃に対応し、ルドルフからヴォルフリートを遠ざけ、ヴォルフリートの足を掴むと、ヴォルフリートの身体を木にたたきつけた。
ズダァァァ・・・ン!!
「・・・・っ」
衝撃がヴォルフリートを遅い、地面に転げ落ちる。
「この程度の問題を出すなんて、先生は僕を試しているんですよね」
天使の様な微笑をルドルフは浮かべていた。教育係・ゴンドレクール伯爵が行った教育は、帝国にふさわしい一群人になる為の者であり、スパルタ式だった。
「それは、その・・・」
「この教本もよく間違っているようですが」
「ええと・・・」
教師はずばずばと的確に答えるルドルフにすっかり顔を青ざめていた。
「出直してきます!!」
最後の方では、半ば泣き顔で教師は去っていった。
「根性なしだな」
・・・・頭が痛い。
しかし、午後になるまでは、がんばらないと。
―本当に身体が弱いのね、皇帝陛下はアンナに強いのに。
―成績は優秀、態度も問題なし。
―神経質でいらっしゃるから。
『でも、本当に皇帝陛下のお子なのかしら?』
エリザベート様がどこの馬の骨と・・・・
僕は僕だ。
「・・・・用意するか、次は婦人のレッスンだ」
ルドルフはゆっくりと息を吐いた。
僕が誰であるかは、僕が証明する。
ディルクは目を大きくさせる。自在に物を動かす能力を自分以外の人間が持っていると思わなかった。地面に倒れていたヴォルフリートに近づこうとした時、ディルクはぎくりとなった。起き上がったことに驚いたのではない。
問題なのは、子供がまず持つはずのないその目だった。
―氷のような、身体中の血を凍りつかせるような、目。
まるでルドルフや自分を、その辺の塵や壊れた人形でも、ものでも見るような目。それは子供ではなく、異質な明らかな人間以外の、異能者の目だった。
戦場を知っているはずもないものがまず持つ事ができない目だ。
「どいてください」
「・・・・・・っ」
子供と思って、手を抜いてはいけない。
「ルドルフ様、抜刀の許可を」
「・・・よい、許す」
ディルクは次の瞬間、腰に控えていた剣を抜いた。
2
船の中で、ヴォルフリートは、日記帳を広げる。少女は話の最中、他の事に気を取られ、母親と共に食堂に行ったらしい。ヴォルフリートは自分と同じグループの旅行者が隣に座った事に気付いた。
「ねえ、義兄さん、話の続きはどうなるんだい?」
「あーっ、ヴォルフは私のなの、離れて!!」
ゴスロリのロリータファッションの少女は、一般人にしては手入れがされた手を持つ青年とヴォルフリートの間に入った。
「駄目だよ、アーデルハイト・・・・いや、アンジェラ。君は私の言う事を聞くと、ウィーンから出る前に。そのために君は私の兄弟に入ったのでしょう。誓いを破らない限り、私と君は家族です、わかりますね」
「ヴォルフ・・・はい」
夢を見た。
羊が一匹、二匹。
牧場の柵を乗り越えて、次々に羊が増えていく。
ドドドドドド・・・・。
遠くのほうでアーディあディトが自分に笑いかけている。
懐かしい、大好きな笑顔を。
ホーフブルク宮殿、それは代々ハプスブルク家が住む居城である。ウィーンの中心にあり、皇帝フランツ・ヨーゼフの居所である。
デラックスに広い。
置かれている家具も、大臣も女官も軍人も聖職者も全てが整えられている。
ヴォルフリート~
姉さん~
自分が後一歩でアーディあディトに駆け寄ろうとしたその時、映像が途中で切れて、アリスも羊も牧場も青い空も消えて、漆黒の闇に包まれた。
え、あれ?
暗闇の中、ヴォルフリートは辺りを見回す。
「・・・姉さん?」
その時、銃声が鳴り響いた。
・・・・ズダァァァァン。
山積みになった骨の映像の次に、貴族の少女が死ぬ夢だ。
―どうして、どうして・・・・私達・・・・・じゃないっ。
少女は、ヴォルフリートに向かって、大きく手を伸ばす。
その中の一室で、ヴォルフリートは意識を現実に戻した。
「・・・ん」
視界に入ってきたのは、見たこともないような高そうなカーテンで覆われた四角い天井だった。
・・・・だるい。
「あれ、うちの教会にこんな部屋あったけ・・・」
ボーッ、とする頭でしばらく天井を見つめた後、額に置かれた冷たいタオルに気付いた。
「冷たい・・・・」
今、何時だろう、他の皆を起こしに行かないと。
タオルを手にとって、ヴォルフリートは、ふらついた身体を起こして、ベッドから出ると、少なくとも自分が今まで寝て、過ごしてきた部屋よりははるかにはるかに、はるかに広い空間にいる事にようやく気付いた。
高級そうな、少なくとも一級品モノのテーブルや家具、手が届かないほど豪華なつくりの照明器具、金ふちで覆われた磨きぬかれた鏡。
「・・・・・」
「・・・・・」
―庶民の目から見ても、どう見ても、それは今まで見た着たような貴族がもてるものではなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
寝ぼけた頭が急にはっきりとしてきた。
磨きぬかれた、手入れが届いた銀食器がテーブルに置かれ、新鮮な手入れがされた花がガラスで出来た花瓶に入れられている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええと」
ヴォルフリートは混乱し始めた頭で、寝る前のことを思い出しながら、窓に向かって、窓の下を見た。光が振りそすぐ庭園には、整列するように芝生や花が植えられており、雑草は一つもない。
気味が悪いくらいに、決められた動きをしたへいたいが動き回っている。
シャノンが憧れるような上流階級、貴族が住むような、いや、この大きさだともっとえらい階級の、そう、例えば。
「いや・・・」
ヴォルフリートは考え込むように口に手を当てて、ベッドに戻って、座り込んだ。
待て、待て、待てよ、自分。
・・・・落ち着こう、とにかく、おちついて、状況も牧師様やシスターもそういってたし。これはあまりにひもじくて、パンすらもひとかけらしか食べてこなかった僕の潜在意識とかから来る願望なのか。
どんな状況でアレ、まずは冷静になる事が先決だと村の教師も行っていたじゃないか。
「うん・・・」
「でも、僕、そういうのは興味が薄いんだけど」
実は自己顕示とかの塊なのか。それとも、誘拐?でも、姉さんならともかく、僕容姿は普通だし、労働力にしても、そういう業者の人がこんな場違いな所につれてきて、こんな高そうなベッドに僕なんかを寝かせるんだろうか、ありえない・・。
「っていうか、ないだろ、うん」
大金も持っていないし、僕は器用とか、なんか特別な特技があるわけではないし、権力に擦り寄ろうとか・・・・うん、ないな。
「・・・と、なると、何だろう」
その時、扉が開いて、大きな黒い犬が入ってきた。
ドォォ・・・・ン!!
機械人形のような女官と護衛をつれて、いつかの少年が入ってきた。
「えっ」
あまりの威圧感、高貴さと王者としての圧倒的な雰囲気にヴォルフリートは頭の中がついていかず、体を硬直させ、対応が遅れ、豪快に転んだ。
「おい」
「はい、畏まりました」
女官がヴォルフリートの体を抱き起こす。
「大丈夫ですか、バルト様」
手入れされた白い手に抱きとめられ、人形のような顔立ちにヴォルフリートは慌てて、離れた。
「大丈夫です!!」
「しかし・・・」
「ええ!?・・・ああああああああああああああああ!君、二日前の?何で、何故、ここに?」
「・・・・反応。鈍いな、お前」
3
「ウィーンか、あそこはね、屍体愛であふれているのさ」
「まさか、さっきの女の子にそんな話を?」
酒場から出てきた連れ合いの男が心配そうにドーグラスを見た。
「・・・するわけないだろう、俺だって良識くらいあるさ、ただああいう子供には不似合いな場所といっている」
「・・・・」
「早く、俺を救済してくださるといいんだが・・・」
「アルザーグルントにいるあんたの奥さんの事か、踊り子だったっていう」
「あそこは好きじゃないよ、死の匂いがぷんぷんする」
ドーグラスはため息をついた。
「じゃあな、オレは新しい歌姫の卵に会いに行くぞ」
「ああ」
指定さてたやすい宿に向かうと、格段上クラスの容姿を持つ美少女達がアリスを待っていた。一番上の14歳・デルフィーナ、13歳のチェチェリーアとブレンダ、12歳のフレデリカはけだるそうですでに洗練された美しさをもって、アリスを圧倒した。
「よろしく・・・」
デルフィーナの赤い唇がそういった。
人形のような顔立ちにアリスは戸惑いを覚えた。
「貴方、可愛いわね」
デルフィーナがアリスの白い頬に手を滑らせた。
「え・・・」
ブレンダがその様子を見て、むっとなって、アリスとデルフィーナノ間に入った。黒髪のウェーブヘアが印象的で挑発的な鳶色の瞳をしている。桜色の唇がきつく閉められる。
「お姉さま、私がこのアーディアディトさんに色々教えますわ」
「でも・・・」
「大丈夫です」
・・・・肩をつかむ手が痛い。
4
ザァァァ・・・・。
「風邪引くぞ」
ヨハンが安物のコートを着た若き伯爵であり、貿易商を営むギルバートに声をかけた。
「やだ、何、あの肌・・・」
「アレ、アジア系?いや、中東かしら?」
「けれど、男らしい爽やかな方ね」
貴族的な、・・・いや、野生的な両方の魅力を備え、財力と栄光、それでいて以前のような正義感らしい雰囲気は激減している。日に焼けた肌に鳶色の巻き毛、すらりと伸びた背丈だが、童顔のせいか、いまだに年下に間違われるらしい。
「サルヴァトール公・・・、彼はこちらのフネにあの人を連れて、着ますよ」
「同胞の勘ってか?」
皮肉じみた笑顔をヨハンは浮かべる。
「―僕の体には、あのこのものがありますから、あの子の能力のかけらかもしれません」
「変わったな、ルドルフをあんなに忌み嫌って、元親友様には恋人も妻も・・・家や財産や名誉まで奪われ、全てを失ったのに」
肘を取ってに引っ掛けると、ギルバートは優しく微笑む。
「・・・・ええ、今でも殺したいですけど、けれど、人は状況によって変わります」
「だから、ヴォルフリートの父親を告発したのか?」
かもめがどこから飛んでくる。シオの匂いが2人の鼻腔をくすぐる。
「奴の父親は、・・・お前の妹の・・・・」
「―それ以上は言わないで下さい」
「ギルバート・・・」
ケルンに来たアリスはライン川を横目に馬車に乗り降りを繰り返しながら、活気あふれる街並みを見ていた。ケルン大聖堂が目に入ってきた。
「結構漁師さんや馬車とか、多いね」
「田舎モノね、こんなのどこでもあるじゃない」
アリスはむっとなると、降水の匂いが馬車の中に入ってきた。
「次のアーヘンはプロイセン領だから、しっかりしないと」
「ドーグラスさんが、ホールで歌わせてくれるって」
アレキサンダーの頭を撫でながら、ルドルフは窓から威張り腐っている、教育係の姿を見た。自分が味方についたと思って、調子に乗って、ゾフィーおばあ様の後ろ盾があると。
・・・あの男もそろそろ、棄て時かな、と凍りついた瞳でルドルフは見下ろしていた。
自分に厳しい、おばあ様側の女官、自分を利用とする若い女官。
「バカバッカだ・・・」
「ルドルフ様、神父様がお見えになるそうです」
扉が開き、いつも自分を見れば口うるさい中年の世話係の女性が部屋に入ってきた。
「きゃあ、猫ちゃん、可愛い」
「にゃあああっ」
「止めなさい、アリス、猫が苦しんでるわよ!!」
アリスはぎゅうう、と猫を窒息するくらいに抱きしめていた。
「ア、ごめんなさい、つい、猫を見ると我を忘れて・・・」
「それじゃあ、この衣装は洗濯しておいて」
「しっかりやりなさいよ、このどぶ猫」
つん、と上から目線で腰に手を当てて、ブレンダがわざとアリスにぶつかって、歩いていった。
何、アイツ~。ちょっと、ばかり歌がうまいからって。
それにしても、まだ、私は雑用なのね。
・・・がんばろう!
アリスはぐっ、と拳を握った。
観客の中に石を投げられている派手な化粧の女性と子供がいた。
「出て行けよ」
「この裏切り者」
「うう・・・っ」
アリスが止めに入ろうとすると、ドーグラスが止めた。
「・・・関わるな、あの子供はここらでも有名な悪党の子供だ、変な移り病をかけられたら、お前の人生が望になるぞ」
「でも、あの親子は何もしていないのに・・」
「・・・・アイツは、異能者だ、人の心を読む魔女の子供だ」
「異能者・・・」
「ああ、関わらない方がいい」
「そんな・・・」
5
翌日、アリスはアーヘンへと旅立つ準備をしている時、ボロボロになって家の中に入ろうという昨日の少年とばったり出会った。
「・・・すみませんっ」
「貴方、昨日私たちの歌を聞きに着てくれた子よね」
「それは・・・」
アリスはにっこりと微笑んだ。
「歌がすきなんでしょう?私も歌は好き、とっても気持ちよくなれるから」
「・・・・そうなの」
「ねえ、私の歌を聞いてくれる、貴方がお客さんで」
「でも、僕、今お金は・・・」
「いいわよ、お金なんて、君が聞いてくれるだけでいいんだから」
その時、ドーグラスがやってきた。
・・・あの子供、アーディアディトに。
次の瞬間澄み切った小川のような、温かくて優しいアリスの声が辺り一体に響き渡り、何だと周りの住人達も集まってきた。
どこからか、ヴァイオリン引きがやってきて、アリスとセッションを始める。
音が重なり愛って、渦となり、人々に不思議な感情を与えた。
「お前・・・・」
ドーグラスも驚いたような表情を浮かべている。
この子が元気になってくれれば、もっと、もっと皆に喜んでもらいたい。
どうしたんだろう、いつもより声が弾んでいる。
・・・気持ちいい。
アリス達の周りに集まった人々の中で顔の半分を仮面のようなもので隠している少年がいた。その瞳はどこか、アルベルトに似ていた。
「すまない、彼女の名前は?」
「・・・え、ああ、うちの新しい雑用・・・、いや歌手見習いのアーディアディト・バルトだ」
少年は良く見ると、貴族の子息らしい服装をしていた。
「私はこういうものだ、どこかであったら私のもとに尋ねてくるようにいってくれ」
「ハァ・・・、それでは、御伝えておきます」
「それでは、失礼する」
異能者は滅んだ方がいい。
神が支配するこの世界に、悪魔の申し子はいらない。
・・・二度と、私の恋人のような被害者は出さない。
「・・・・ウ、誰・・・・」
割れた地面の上に倒れこむダークブラウンの髪の少年は違う色の両目を神の使いである私に目を向ける。
漆黒の衣に身を包み、腰まで伸びた金髪の青年は、10歳ほどの少年のすぐ側に立つと、銀の玉が入った銃を少年の喉元に当てた。
「ディルク、気をつけろよ」
黒髪の美青年、ダヴィデが暗闇の中から似たような姿で出てきた。その頬には、刀で切ったような切り傷があった。
「わかっている」
グッ、と喉元に銃口を突き付ける。
ルドルフの部屋に呼ばれた、異能者の少年は皇太子と聞いて、驚きが大きすぎて、数秒固まっていた。あれ以来、ヴォルフリート・バルトの力は人並みレベルしかない。ルドルフはそれがコントロールするには難しいが、利用できると考えていた。
「そんなに緊張しなくていいよ、お前達、悪いがヴォルフリートと二人にしてくれないか」
ルドルフは、異能者のこの子供を信用しない。
信用するつもりもない。
「しかし・・・」
「大丈夫、何かあったら、すぐに君たちを呼ぶよ、ね?」
ルドルフは美しく微笑んだ。男たちは戸惑ったように見ると、冷静さを取り戻して、はい、と答えた。
犬のアレキサンダーは寝息を立てている。
・・・困ってるな。
ルドルフはそう思いながら、次の瞬間、子供らしい笑顔に切り替えた。
「君と会うのは、これで二回目だね、あの時行った事、覚えてる?」
何故、あんな軽はずみなことを言ったのか。異能者のこいつの呪われた瞳でも魅入られたのか。くっ、と歯を噛みそうになるのをルドルフはこらえた。
「・・・なんでしょう」
「ねえ、ここには僕とアレキサンダーしかいないんだ。普通に喋ってくれないか」
「でも、僕はただの庶民で、皇太子殿下は・・・」
じろり、とルドルフは睨むと、ひっ、とヴォルフリートは声を上げた。
「そうだね、ここで君を不敬罪で罰することも出来る、でも、僕はしないよ、安心するといい」
嘘だ、この少年を自分の手ごまにするだけだ。有利な状態に置き、横につながりがある同胞を駆る為のカードにするための。
オーストリアやジゼル、皇帝陛下を僕が守るために。
「・・は、はい」
ヴォルフリートはホオーッ、と胸をなでおろした。
「僕の側に来てくれないか、遠い方に声を送るのも結構つかれるんだ」
「はい、わかりましたっ」
ヴォルフリートは慌ててルドルフの元に駆け寄った。
「それでさっきの話だけど、僕のお付きの人が来て、君とわかれる時、僕が行った事、覚えてる?お礼に、今度、僕の家に来ないかって」
「え、はい、それは覚えてますけど」
ルドルフはヴォルフリートの腕をつかんだ。
「痛い、何するんだよ!!」
「見たんだろ、僕があの男といる所を・・・・、どこから見ていたんだ?」
ルドルフの瞳が鋭く尖った。
6
ルドルフは確認するようにもう一回、聞いた。
「見ていたんだろ・・・・、周りの人間には誰も見ていないといっていたようだが」
ヴォルフリートが碧に近い深い色合いの瞳と碧かかった左の瞳をぱちくりさせた。
すると、思い出したように口を開いた。
「・・・大丈夫、僕は何も見ていないし、君が何をしてただろうと誰かに告げ口する気はないよ」
「お前・・・」
「大丈夫、もし僕が嘘ついてたら、指を切るよ」
ルドルフはヴォルフリートを離した。
・・・・信じられるか、毛等が。
その一方で、何かが内側からバリバリと砕けていく。
「?」
ヴォルフリートは不思議そうに、笑顔を浮かべている。
「面白い・・・」
にっ、とルドルフは笑った。
バカな、ありえない。ルドルフは持ち直した。
「ヴォルフリート、どうだ、僕の家は、ウィーンは。・・ようこそ、死と生があふれるウィーンへ」
ルドルフは優美に笑って、手招きした。
「僕はルドルフ、ハプスブルクの人間であり、皇太子。そして、君と同じ異能者だ、異能者同士、仲良くしようじゃないか」
すると、次の瞬間、ヴォルフリートが差し出した手を思いっきり引っ張叩いた!!
「・・・・知らない、僕は異能者なんかじゃない、君が何を言っているのか、さっぱり意味がわからないよ」
ルドルフはその時、初めてヴォルフリートが嫌悪感を示した事に意外なものを感じた。
「僕は異能者なんか、大嫌いだ・・・・!!」
「貴様!!」
「ここで失礼します、僕を罰するなら好きなだけどうぞ!!」
「僕がせっかく、君と仲良くしてやろうといってるのに、何だ、その言い方は!僕が誰だと思って!」
ルドルフは碇の勘定をむき出しにして、、ヴォルフリートの手を掴むと、冷たい眼差しでヴォルフリートがルドルフを睨んだ
「―-」
。ルドルフは思わず、手を離した。
「・・・離せよ」
「・・・・・」
バタン。
・・・・・何なんだ、アイツは。
ルドルフはしばらく動く事ができなかった。
グレーティア・ウラ・バーデンの家で、シャノンはした働きとして上級階級に関わる事になった。しかし、そこで待っていたのは使用人を苛める奥方、意地悪なグレーティあの無能な姉2人だった。グレーティあの父や祖母は元から、シャノンの事など、無視している。
長女ヘルガの甲高い声が今日もシャノンを呼ぶ。
「赤毛、私に呼ばれたら早く着なさい!」
「はい、ヘルガお嬢様!!」
・・・この私をこんな風に扱うなんて、ユルセナイ。
「本当にお前は愚図ね、ホラ、さっさと髪をゆいて!!」
「は、はい」
綺麗な黒髪が自慢の減るが刃物を見るような目つきで、髪を書き上げて、ヘルガに指定されているブラシをヘルガのかみに通し、といていく。
ヘルガは薬ビンを手に取る。
「痛いわね、この赤毛シャノン!!」
薬ビンの水をシャノンに浴びせた。
「きゃああああああ!!」
「床が汚れているわ、拭いて頂戴、全部拭き終えるまでお前は食事なしよ」
「ハイ、お嬢様」
シャノンは床を吹きながら、いつもの妄想にスイッチを入れる。自分にふさわしいのは情熱的な赤のひらひらのドレス、白い犬、シャンデリアや優雅な会話、自分に思いを寄せる美形の御曹司、誰もが自分をしたい、愛される為に必死になる。召使いは褐色の美少年で。
「ちょっと、新入り、もっと力を入れて、ふきなっ」
初老のメイドがシャノンの腰を叩いた。
「何するのよ、この私に向かって」
「なんだい、口答えする気か」
シャノンの髪をメイドがわしづかみをする。
「く・・・っ」
あの兄弟は今も路地裏でさまよい、あの役立たずのヴォルフリートはバカにされて、皆に苛められているのだろう。
そう、アリスなんて、きっと世間に相手にされまい。
7
「しかし、アーヘンでは酷い目にあったわね」
「私達は、そういう女とは違うというのに」
「ロリータって、本当にいるのね」
「特に、アリスを追いかけてきた温泉屋のした働き、前から小さい女の子を付回していたんですって」
アリスはこの会話の中にどう反応すればいいかわからなかった。
「でもさ」
「・・・まさか、通り魔に殺されるなんて、運がないわよね」
「もう、止めませんか、この会話」
フランクフルトで、アリスはフランクフルト国民会場で、二股男のオペラ歌手と若いソプラノ歌手、カローラとであった。
それは澄み切った青空で、多くの絵描きがいる表通りで哀しげな表情のカローラとであった。彼女は、相手のオペラ歌手の事で心を痛めていた。
彼女は、白い手でロマン主義のべっティーナの本を読んでいた。
「貴方、ゲーテを呼んだ事ある?」
フレデリカと一緒に、宣伝活動をしている時に急に声をかけてきたのだ。
「はい?」
「ごめんなさい、変なこと言って、忘れて頂戴」
恥ずかしそうに、カローラは頬を染めて、慌てて出て行った。
明後日の日光が強い日、カローラが階段から落ちそうになったのをオペラ歌手ジョージが助けるのをアリスは目撃した。
「大丈夫ですかっ」
「カローラ、また、貧血か」
「・・・大丈夫よ、ジョージ、あら、貴方は昨日の・・・」
「大丈夫ですか、顔色が悪いですよ、すぐに医者を」
カローラがアリスの手を掴んだ。
「止めて、私は大丈夫」
「・・・本当に大丈夫なのか」
「ええ・・・」
優しい包み込むような笑顔をカローラはジョージに向けた。
・・・そうか、この人はこの男の人が好きなんだ、とアリスは思った。その時、馬車が止まり、バーデン家の次女アマーリエが冷たそうな緑色の瞳をカローラに向ける。
「ジョージ、何してるの、今日は買い物に付き合う約束でしょ」
「は、はい」
「そんなみすぼらしい女に関わるのは止めなさい、あんたの株が下がるわよ」
8
それはアリスにとって、最初の心の傷となった。ヴォルフリートが8歳になった頃、牛乳屋の息子がヴォルフリートが治癒能力動物の傷を直すのを見て、不治の病の母親を助けて欲しいといってきた。
「大丈夫なの、ヴォルフリート」
「大丈夫だよ、きっと助かるから」
ヴォルフリートは包み込むように優しく微笑んだ。
しかし、それはその母親の嘘だった、その少年は利用されたのだ。
「ヴォルフリート・・・・」
目が覚めたアリスはあの日の自分を悔いていた。どうして、あの時一時でもヴォルフリートの側を離れたんだろう。必ず、お姉ちゃんが助けてあげるから。
「そう、弟さんがウィーンに・・・」
「はい・・・・」
アリスの憂鬱そうな表情にカローラは心配そうに見た。
「カローラ!!」
ジョージがいきなり、表れ、カローラを殴った。
「・・何をするんですか!!」
「ガキは引っ込んでろ、お前、金をどこにやった!!」
「・・・大家さんに、先月の分を払ってないというから」
「あれは俺の金だぞ、女のクセに生意気な真似しやがって、こい、わからせてやる!!」
ジョージが強引にカローラの手を掴んで、止めに入ったアリスを突き飛ばした。
「ジョージ!!」
「お前は俺の女だ!」
「ジョージ!!」
カローラが哀しそうな声で叫んだ。
「壊れてるのは、彼女のほうらしいぞ」
ドーグラスが新聞を広げながら、アリスに言った。
「え・・・」
「カローラとか言う女、自分で自分を傷つける、心の病気らしい」
「そんなことないわ、だって、あの人カローラさんに酷い事を!!」
「実際にその現場を見たのか?」
「見なくてもわかるもん!!」
アリスは力強い声でそういった。
「カローラさんいるのに、他の女の人とデートなんて!!」
「パトロンだろう、その意味はわかるか?アーディアディト」
「・・・聞きたくもないです」
アリスはぎゅっ、と拳を握った。
ヒュウウウウウウ・・・・・・
「彼は殺されたんです」
ギルバートが顔を上げた。
「え?」
一瞬、何を言われたのか、理解が出来なかった。
「一度目は、実の父親に、二度目はローゼンバルツァー家に、三度目はヴォルフリート、彼自身に」
ギルバートの表情は穏やかだが、口調に怒りがこもっている。ぎゅっ、と手をきつく握り締めた。
「許せると思いますか?そんなの・・・」
「・・・どういう意味だ」
「切り刻まれたんですよ、誰よりも彼にとって大切なあの人の手で」
冷たい風はなおも強くなる。
「心を・・・・!!」
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
フォトライフ
源氏物語〔38帖 鈴虫 19〕
(2026-10-11 10:30:04)
REDSTONE
【REDSTONE】2026金鯖版レベルート
(2026-07-25 17:10:49)
鉄道
JR貨物:EF651074(EF6…
(2026-10-12 00:10:07)
© Rakuten Group, Inc.
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: