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銀の月の孤城
第一話ゼロの価値
カシャ。
オーブの名門校では木の上で趣味のカメラ撮影をするどこか高貴さを漂わせる艶やかなマジック・バイオレットの切れ長の瞳とミッドナイトブルーの髪に真っ白な肌の少年の姿があった。
「部長、鳥の撮影なんかしないでマドンナのインタビューに行きませしょうよ」
「まだ、時間はあるだろ~」
美しい容貌の割には砕けた口調だった。写真部の部員の近くには、この学園の天使といわれるエリザベート、盲目の美少女の姿があった。
「全く、アレクは」
「ん~っ」
すぐ近くのベンチには、友人のアルヴァーとジェイドの姿がある。アルヴァーはパソコンをいじっていた。
「・・・あ、シン・アスカだ」
「コーディネーターの、ザフトの英雄か」
「また、ナチュラルとコーディネーターでもめたんだって」
木の陰から、ベアトリーチェが眩しい目でアレクを見ていた。
カシャカシャ。
リカルド・ナラ・アスタールは苛立ちを抱えながら、ザフト軍北方基地、アリエスの赤いじゅうたんの上を歩いていた。副官の背が高い将校はオロオロと顔色を探っている。リカルドが愛し、ライバルである仮面の少女、ザフトの赤い閃光、スピカ・エリザベス・サーシャが闘技場で自分を打ち負かした後、こういったのだ。
「同じ紅の使徒ならば、貴君が間違いなく上だろう、誰よりもお前は早く、誰よりも強い。だが、最高のコーディネーター、キラ・ヤマトにはまだ遠い」
ムチを地面に叩きつけながら、高らかにそういった。
「私の何が気に入らないのだ・・・」
「私が求めるのは、完成された美でもラクス・クラインを守るための盾ではない。私のために血まみれとなり、生きる覚悟を持った男だ、そのために私はお前と今、賭けをした」
「?」
「言っただろう、私が勝てば、お前の駒の一つを貰うと」
「・・・・エリアルか、アレは私に心酔している。それにお前を毛嫌いしている潔癖な男だ、そうやすやすとお前の誘いに乗ると思えないが」
「違うさ、3日後、全てのザフト軍で部隊の配置換えがあるな、私はそこで少しトリックを仕掛けてある、あれには最低の成績のバンド部隊も参加する事になっているな」
「まさか・・・、アレは貴方の好みではない、ただのおとこぼれの愚弟でしかない男だ、貴方には負の評価しか齎さない」
「こういうことは鈍いな、リカルド。レン・ナラ・アスタールは確かにザフト軍でも税金泥棒といわれる、戦場でもすぐに降伏する恥さらしだ、無理やり君の父親が軍に入れた事が尾を引いているのだろう」
テーブルの上の一輪の薔薇を少女は手に取る。
「アレは期待する価値のない、我が家の汚点しかなれない、無駄な期待はスピカ、君の貴重な時間を奪う事になる、他の優秀なザフト兵を私が貴方に与えよう、止めてくれ」
「―愚かなハイエナが、お前は今の腐った議会の腐肉を食らう事しかわからないのか。私にはわかるのだ、レン・ナラ・アスタールは間違いなくキラ・ヤマトに近い最高の技術で作られた、コーディネーターだ、私ならばあ奴をただのコーディネーターから宇宙最高の騎士に作り変える事ができる」
キラ・ヤマトが20歳の時、最高のコーディネーターとして、地球連合でもザフトでもない、地球連合を母体としたどこの国の権限も持たない複合組織、地球統合組織オリーヴェの代表に選ばれた。それは、ラクス・クラインと地球連合軍の代表の後見があるからだ。
ストライクフリーダムガンダム。
それは、今だコーディネーターを忌み嫌う国にとって、恐怖と侮蔑の対象となった。
ガガガガガガ・・・ザザザ・・・。
本部からの連絡が入る通信機は大分電線が混雑している。
かなり蒸し暑く、アマゾンらしいジャングルの間を流れる川には、木で作られた小さな小屋が着いた船には、釣竿で魚を釣る真っ裸の大事な所は葉っぱ一枚で隠して、ぼーっと魚を釣る無駄に顔が可愛く、格好いい美しい少年。一目見て、コーディネーターである事がわかるダークブラウンの髪と一度見たら忘れられないような、強烈な印象の宝石のような赤紫の高貴な色合いの瞳。
いわゆる痩せマッチョといった体つきの少年は外見の美しさを一度も生かそうとせず、かなりだらしない格好をしていた。
というか、古いコントか、露出狂の勢いだ。
「オイ、アレ、本当にザフト兵か・・・・」
「いや、目撃情報のザフト兵の特徴が一致してるし」
「本当にあのプラントの青い狐の息子なのか、全然上品さも感じないぞ」
と、数日前から遊撃部隊バンドを張っていた新米テロリストグループの狙撃手も困惑していた。
「生まれた時点で優秀な人間にされているはずだが、行くぞ、あいつを捕まえれば、赤い蛇野郎の尻尾がつかめるかもしれん」
「ああ・・・」
覚悟を決めて、テロリストたちは水上バイクに乗りつけて、レン・ナラ・アスタール一般兵の元に向かった。
2
「あっちぃーっ、うちの艦にもクーラー、入れましょうよ、というか、新調しましょうよ」
レンの背後では、たくさんの葉っぱやドロで偽装されていたバンドの戦艦ウィンドミルの洗浄作業が行われており、技術スタッフやブリッジを担当するザフトの関係者が仕事にまい進していた。
「駄目駄目、うちみたいな雑魚部隊なんて、上がお金出してくれるわけないって」
左右にはねた黒い髪と臙脂の真っ直ぐな熱い赤い瞳の背が高いラルク・キャンベルとタンポポ色の巻き髪とタレ目の紅桔梗のフローレンス・トートがパイロットスーツで現れた。
「・・・・そうですよね、私が足をいつも引っ張るから」
「そんな事ないぞ」
ラルクは慌てて否定し、レンがくすくすと笑う。
「レンも笑うなよな、大体、お前の作戦、いつも行き当たりばったりなんだよ」
「だったら、艦長のマブロンのジッちゃんに文句を言ってよ、作戦立案から実行まで戦術かでも雇えばいいのに、いつも俺に任せてさ」
格納庫からは、レンの搭乗機、ルナマリア・ホークも乗った第一期モデルザクウォーリアの量産型で改造版のザクウォーリア・グレイスが専用の機械で他の仲間のガザーザクウォーリアも運び込まれている。
「レンさんはいつも全員死なない結果を出すから」
控えめな口調でフローレンスが小さな唇でそういった。ちなみに現在は、緑色のザフト兵の格好をレンは着ている。
「偶然だよ、偶然、俺は自分の事しか考えない人間だもん、後は以下に合コンで可愛いお姉さまをゲットする事しか考えてないし」
小がなさそうに手をひらひらさせながら、レンはチャライ笑顔でそういった。
「・・・・なんで、いつも最後の最後で振られるんだ」
ラルクが後ろのほうを見た。
「・・・それは多分、お前の背後の男のせいだと思うな」
ババババ・・・・。
目深い朱色の帽子を被り、ホテルのベルボーイか、にもつ運びのような金色のボタンと肩部に飾りがついたユニフォームを着たネービーブルーの三つ編お下げをした、アレキサンドライトという宝石を思わせる青みを帯びた優しい色合いの碧色の切れ長のツリ目の少年がヘリコプターに釣り下がったロープにつられた状態で現れる。どこか、高貴さと優雅さを感じさせる少年である。
少年は、眉一つ動かさず、硝煙と血と土の匂いを漂わせて、レン達の元にゆっくりとカバンを持って現れた。
「オオーッ、よく戻ってきた、さすがは有名な「灰色猫」だ!」
「・・・・・任務ですから、すまない、君、にもつを指定の位置まで運んでおいてくれないか」
氷の彫刻を思わせるととのいすぎた顔立ちや瞳は誰もを拒んでいた。あまりの凄みに、マブロン艦長も怯えた。
・・・・嫌な奴が帰ってきたよ、うげげ。
レンは一切振り込もうとせず、仲間たちの元から離れると、足音も立てずに誰にも気付かれずに、艦内に逃げ込もうとした。
「・・・・・・・」
灰色猫の少年はつかつかと周囲のクルーを無視して、レンの元に向かう。
「レン様、お待ち下さい」
残されたラルクが艦長の元に向かう。
「アイツ、何でレンをいつも追いかけてるんです、いくらレンの家が金持ちだからって」
「あいつとか言うな、あの方は、トップの成績でネオミネルバの新規の赤服になったお方だぞ、名前をアレン・エミヤといわれる」
「エミヤって、じゃあ、あいつはヴァネティエールとかいう小国の・・・」
「・・・そう、ニケという神を信仰していた暗殺を得意にした名家の次期当主になるはずだった少年だ」
3
沈黙に包まれた長い廊下をレンはしばらく歩くと、後ろに振り返った。
「レン様・・・」
子供っぽい、若干年相応の表情にアレンはなった。
「・・・アレン、お前さ、いい加減家を外に持ち出すの止めてくれないか?ここでは、事実上、お前が俺達やこの周辺の部隊のトップなんだから」
ス・・ッ、とゆっくりと頭を下げて膝を曲げて、アレンはレンに挨拶をした。
「約束のお時間より、帰宅時間が遅れてしまい、すみませんでした、レン様」
「止めろって、・・・ええと、だから、君は男だろうが、恥ずかしくないのかね!!同い年の奴に頭を下げるなんてみっともない事だぞ!」
レンは混乱した。
「―そうだよ、それこそ、そんなにうちが好きなら親父やあのナルシストクソ兄貴の所に行けよ!俺はな、俺より顔が良くて、気味の悪い主従ごっこするお前が嫌いなんだよ!!」
思わず、声を荒げた。
沈黙が走る。
「・・・・」
「・・・・・」
沈黙が続く。
「―レン様、貴方は何を苛立っている?朝から何も食べていないんだろう、貴方はいつも夢中になると、他の事をおろそかにするからな。さあ、お手を、食堂まで案内します」
ウサギ耳を思わせるピンッと立つクロムイエローのリボンが目印のオーブの少女はシェルピンク色の唇を軽やかな歌声と共に赤紫の瞳をかがやかせながら触角のようなダークブラウンの髪を整えて、タッチパネルの携帯をいじっていた。彼女の側には同じオーブ~着た良家の令嬢たちの姿もある。
「あれ、ベアト、この男の子、誰?」
ベアトと呼ばれた少女は顔が一気に明るくなった。
『ベアト、顔、真っ赤、顔、真っ赤、アニウエサマ、ラブ、アニウエサマラブ』
ラクス・クラインが常に連れていたペット型ロボット、ハロは一般にも売れ始めている。彼女が連れてるのは通常版のピンク色のハロだ。
ぽっ、とほんのり、ベアトの顔が赤くなり、笑みがこぼれる。
「わたくしの兄上様です、生まれた時に別の両親に引き取られたからって、・・・一度写真だけ送ってもらったんです」
「へえ、そういえば、凄いそっくり、双子のコーディネーターなんて、オーブのカガリ様みたいね」
「それでカ、ベアトがプラントの大学に編入した言って言ってるのは」
「うん・・・」
写真をなぞるように、優しい声でベアトが答える。
「わたくし、思うのです、血のつながった双子の兄なら、わたくしも家族になれると」
4
戦場でのブルーコスモスの旧強硬派とバンドの決戦は、エーゲ海クレタ村付近でぶつかる事となった。マップ上に並べられた敵の機体の数は百単位に対し、バンドに送られるのは、アレンが指揮する地上勤務の前線の経験が少ない艦隊だった。
「ザクウォーリア・グレイスは今回、最後の切り札にすべきです」
中間の成績であるザフト軍の戦艦プロスペローのブリッジには赤い軍服を着たアレンの姿がある。
ちなみに同じ映像をレンたちもコクピットの中で見ていた。
「というと」
「相手は、ザフト軍のMSの改良型まで戦場に持ってくる、なりふり構わない執着型のものを上に立たせる者達の集まりで、恐らく私が来ていることも掴んでいるでしょう。私のキャリバンガンダムの砲撃の威力も知っているはず、それなら、相手がどういう攻撃で仕掛けてくるか・・・」
マブロン艦長はくわえタバコをきつくかんだ。愛煙家なのである。
「まさか・・・」
「恐らく、まずは足場である私の指揮下の戦艦二艦を落とし、ウィンドミルを落とす。短絡的に考えていけば、そのルートが最良だと考える、周辺にブルーコスモスの根をゆっくり張り、こちらの情報を掴んでいたならば、長期的な計画でウィンドミルを当初から狙っていた事がわかる」
「動機は私達がコーディネーターだからですか」
さすがに憂鬱そうな表情を浮かべた。
『違う、クライン議長の他国に対する過剰な干渉とこの国の長年の不況が原因だ』
コクピットの中のレンは精神統一でもしているのか、目を閉じ、静まり返っている。
「止めなさい、君の軽はずみな発言でもし上にその事が報告されれば、君のアニウエが・・・」
「アスタール大尉は、自分を血縁者だと思っておりませんので、あの人が干渉することはありません」
「・・・・・」
それきり、干渉するのを止めて、マブロンは他のクルーと共に作戦に頭を戻した。
「アスタール、君の意見を聞こう、君は今回の戦闘をどう読む?」
「奴らの習性から考えるなら、最も目立つえさに注目させ、食らえ付かせ、無人島群周辺の海域に誘い込み、俺たちが襲撃し、戦力を削り落として言った同時刻に奴らの本部をつぶすのが常套かと思います」
いつものぼんやりした瞳にレンは戻る。
「まあ、ぶっちゃけ、エミヤ少尉が自爆なり、最初にでかいアクション起こしてくれれば、俺たちは楽できるんですけどね」
「・・・・賄賂や降伏は駄目だぞ」
「えーっ、やな感じ~」
そのちゃらい態度にはぁぁ、とブリッジのクルーはため息をついた。
「それでは、網でもつくりますかぁ、大嫌いなコーディネーターで今のプラントなら、平和の為に武力も辞さない事は相手も知っていますから、多分あっちも網をそこら中張ってきますし、お、黒髪のそこのお姉様、かわいいねぇ」
「はぁ・・・」
ブリッジクルーの中には、レンの好みのタイプの清楚なお姉様系がいた。
「でも、でも、自然大好きなブルーコスモスがこの美しいエーゲ海の環境を積極的に壊しますかねぇ?」
多島海でもあるエーゲ海水域はそれぞれの島による海域があり、境界線がある。境界を許可なく超えれば、それは国際法に違反した事になる。すでに、強硬派「青い薔薇」はそのために面倒な手続きや多額の金を行い、海底に本拠地である戦艦レパードを構えている。
―戦闘が始まる。
5
ドカァァァ・・・ン。
「全く、ねえさんったら」
大陸を縦断する豪華な列車の中で、「黒の虎」と名乗るブルーコスモスの過激派が上流階級が多くいる特別車を占拠している。一般者では、乗員が駅員などに励まされている。
いつも無茶ばかりさせられている。
「はぁ・・・」
列車が目指す先は、中立国オーブだ。青みを帯びたすみれ色の瞳は、純粋な少年の性格を現し、濡羽色の黒の髪は風で揺らされ、機関室に少年の足は向かう。
「何者だ、小僧!?」
体格のいい男達が少年を銃で襲いかかり、少年はどこからかナイフを数本取り出した。目立たない程度の肩章、飾り緒がついた燕尾服を思わせる灰青色のラインが入った漆黒の袖がついた紺色の制服を着込んだ少年は獣のような瞳で相手をロックして、ナイフを投げた!ネクタイやリボンを止める飾りにはシルバーの校章入りの止め具がある。
「・・・くくくっ」
格納庫のMSの技術スタッフ主任であるヴィーノは、嘆きの表情をしていた。艦内共通の大画面での巨大なパネルの映像の中では、ガザーザクウォーリアが豪快に破壊、いや、決められたコースからぶれて、敵のMSを切りかかっていた。ラルクの得意分野は剣術で、突進あるのみだ。
二刀流であるラルクは鋭い眼光で目の前のMSを睨みつける。
「ラルク・キャンベル、参る!!」
ガザーザクウォーリアが突進した!!蟷螂のカッターのような鋭い刃が、がザーザクウォーリアの機体を掴みかかる。ピンク色の機械の目がエモノの姿を捕らえる様に揺らめき、背中には、たくさんの目のような突出したミサイルが装備されていた。その姿を見て、ラルクは気付く。
「UMF/SSOー3、アッシュか!!」
作戦内容は、敵の主要MSや艦隊をガザーザクウォーリアやフローレンスの砲撃戦に有利な機体、レーヴザクファントムが引き寄せ、ザフト軍の主要の部隊や艦隊を守り、敵に攻撃しつつ、敵の主要MSにぶつけていくというのが敵方面に与える作戦である。
アレンの狙いは、暗幕扱いで分散している、恐らくは命令一つで動くMS部隊の武力を剥いで行くことだった。
ブルーコスモスの強硬派、青い薔薇は腕の立つMS乗りを多数雇い、えさとしてのザフト軍の改造型MSや形だけの艦隊を彼らが読みやすい位置に配置させ、攻撃していた。
彼らの狙いは、バンドでも地上勤務のザフト軍ではなく、悪の議長の使いであるアレン・エミヤを殺す事だった。
「・・・神よ、勝利を我らにお与え下さい」
コクピットの中で、パイロットスーツに身を包んだアレンが十字架を頭に当てた。
6
レパードの正面へとレンの機体、ザクウォーリアグレイスが水の中でも適応できる装備を着せられ、他の上官クラスのMSによって投げ飛ばされた。
「うぉぉぉぉ・・・・・!!」
衝撃とくらくらする感覚がハンドルを握るレンを襲う!
何だって、俺がこんな目に・・・!!
―この戦場を支配している悪意が最も高まり、力を発揮している所はどこか。
エモノはどこで隠れ、どこで牙を尖らせ、こちらの喉元を狙っている?どこで?
ど、こ、で!!
レンの目の前で黄色の種が弾け飛ぶ。
ピシィィ・・・・ン!!レンの瞳が黄金に輝く。
ザクウォーグレイスの腰部からビームナイフを取り出し、一気にブルーコスモスの青い薔薇の本部隊の潜水艦群達を目にも捉えられない動きでズサァァァッ、と激しい音を立てて、引き裂いていく!!
「やめろぉぉぉ!!」
「キラ・ヤマトの亡霊か!!」
破壊されていく戦艦から次々と悲鳴が上がっていく!
フローレンス・トートが泣き声でごめんなさい、ごめんなさいといいながら、ガァンガァンと次々にレーヴザクファントムの背中から砲弾を発射させ、MSを破壊していった!
ひぃぃぃ、という声が敵の期待から音声のみ、ブリッジに傍受される。
ギィン!!
鋭い獣の、赤い機械の瞳が揺らめき、敵を恐怖に落ちいれさせる。
ドゴォォ・・・・・・・・・・・・ン!!
次々にMSや戦艦が被弾し、吹き飛ばされていく!
「う~ん、アレは恐ろしいよな!!」
レンがまだ9歳か、10歳の頃だ。
この頃、レンは空をよく見て、人工的に作った空や碧の匂いに疑問を浮かべていた。
アスタール家の邸宅。広い敷地内には様々な人工的に作り出された、半分父親の趣味の草花がそれぞれのグループごと配置されていた。
「おい、いいか、奴が着たら一気に引くんだぞ」
「いいのかなぁ、こんな事をして」
「いいんだよ、楽しければ、ホラ、きたお下げだ」
「だよな、あいついつも一人で、大人の振りして生意気だし」
「そうだそうだ」
薄暗い草叢の中で近所の子供と共に、紐を引っ張り、苛められているといわれている擦り傷だらけの民族衣装を着たアレンを一気に落とし穴に落とした。
「うわあああああ!」
「やった、エモノがかかったぞ、どうだ、お下げ野郎!!」
レンが他の子供と出ると、穴の中のアレンが睨んできた。
「レン、虫とかトカゲとか入れようぜ」
「おお、いいね」
「貴様ら、殺す!!」
「!?」
レン達はぎょっ、となった。少年が穴から人間と思えないスピードで出てきて、ナイフ上のものを取り出して、飛び掛ってきたからだ。
「危ない、こいつ、ブルーコスモスだ!!」
「逃げるぞ!!」
「俺も行く!!」
レンも慌てて子供達の後を追いかけた。
森の中はどんどん広くなり、レンは友人達とはぐれた。
「・・・・・追いついた、・・よくもこの俺を」
かなり怒って、目が釣りあがっている。さすがのレンも顔を青ざめて、身を後ずらせた。
「殺す殺す殺す・・・」
どうしよう、マジで怒ってるよ、うむ、面倒くさい事態だ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
どうする、親父を呼ぶか?それもまた面倒くさい。
とりあえず・・・。
「いい加減、過去の事にこだわるのは止めなさい!!」
母親のまねをしてみよう。アレンはそこで動きを止めた。まあ、こいつの過去なんてマジで何も知らないが、確か家族が殺されて、家もないんだっけか?
「どこでどのように、君が生まれ、今まで何を味わってきたんだろうと、過去は戻らないんだ。もちろん、・・・お・・・僕もだ、誰も君以外に君の悲しみも背負ってるものも背負う事はできない。君の痛みに比べれば僕の痛みなんか小さいものだ。殺したければ殺せ、でもこの僕を殺したとき、君を守ってやれる、理解してやる人間がこの世からいなくなる事だけはその頭でしかと覚えておきたまえ!!」
アレンが大きく目を見開かせる。
「お前・・・」
まあ、嘘ですけどね。誰もお前を守りませんし、興味もありませんよ。他人の人生なんて背負いたくもない。冷酷無情なのだ、俺は。
「お前・・・いや、君」
?
何を身を震わせているんだ、女みたいな表情に急になって。
よし、ひるんだ、警察を呼ぼう。携帯を持っておいてよかった。
「さあ、勇気があるなら、僕を殺せ!!」
さっさとこいつを追い払おう。さっさとこいつを昨日の思い出にしよう。うん、それがいい。
「・・・大概、お前も性格悪い奴だな」
ラルクがまじめな表情で言った。
「アスタールのあの家に育てば、誰でも性格が歪むよ」
「それでその後、どうなったんだ?」
はぁ、とラルクはため息をついた。
「・・・・ああ、次の日、仕えさせてくれってかしずかれた、引いたわ、アレは。マジで気持ち悪いよね、あいつ。しかも俺より先に女子と経験してるし、マジでいらねぇ。もう、その次の日からありとあらゆる手で嫌われるために、法律に触れない限りでやったけど、あいつ諦めないんだ」
はぁぁ、と顔で手を覆って、顔を下げた。
「世の中、複雑だな・・・」
「うん」
7
配置換えの日に、レンはクルーと共にプラントの首都を訪れていた。地上行きの航空便やザフト軍専用の特別快速の宇宙船が空港内でそれぞれのビンごとに着陸したり、離れたりしている。
「相変わらず、騒然としてますね」
「・・人が多すぎて、気持ち悪い」
「本当にアスタールは、人混みが苦手ですね、とてもあのアスタール議員の息子と思えません」
レンは口を押さえ込んだ。
「当たり前だろ、生まれる前時点でコーディネーターは色々改造されるんだから」
「まあ、自分も母親に設定していた目の色が違うと小さい頃起こられましたよ」
「え?俺は肌が黒いといわれましたよ」
「まあ、これはコーディネーターの宿命ですね、自分は外見より能力に特化されただけですが」
あはは、と体育系の爽やかイケメン風のクルーが軽く笑った。そうだよね、とレンタチは全員で軽く笑いあう。上のエリアから、甘いお菓子のような匂いが漂う。上のエリアには上級階級や大金持ちの人間が大勢いた。
扇を持った貴婦人が冷たく下を見据えていた。
「嫌な感じですよね」
「・・マ、重い民族感情は後にして、本部にいこうぜ、なあ、アスタール」
「へえへえ」
ザフト軍本部。
エレベーターの故障・・・、という看板の前を赤い軍帽を被ったザフト軍のエース、シェリル・ルブランと緑服のザフト兵の姿があった。
「困りましたね、ルブラン隊長、他のエレベーターはすでに他の部署の人間で詰められてますし」
「エスカレーターは?」
玄関口には、白い目で見られるレンやクルー、ラルクの姿があった。
「それが二日前から整備中でして・・・・」
「・・・・そう」
広大な天井が広がる広大な大理石の廊下に大勢の観衆が集まっているのをレンは目撃する。
「何?なんか、あっタンスか」
観客の一人にレンは声をかけた。反対方向から綺麗系の女性のクルーが歩いてきた。
「あっ、お姉さん、キャワイイネ、どこの部署?僕に電話番号とメール番号、教えて」
「すみません、急いでるので」
すたすたと、女性は通り過ぎていく。レンは仕方ないと視線の先を観衆が見ているものに向けた。
にゃああ~
「きゃっ、猫!?」
「誰が持ち込んだんだ?」
レンのからだがピタリと止まった。額から嫌な汗が流れる。実は猫が苦手なのだ。
「まぁぁ、猫、猫ちゃんですわ~」
「ルブラン上官、お待ち下さい、したには一般兵も!!」
クルーがざわめく。
「シェリル・ルブラン!?」
レンがゆっくりと首を後ろに傾ける。
薄紅色の小さな唇に、盛り上がったウエーブ状の前髪を横わけにして、残った前髪を少なくさせ、耳にかかる髪の一部をカール状にさせた黄金のウェーブヘアの気高い美少女は髪の一部をおだんご状にリボンでまとめていた。
・・・長いまつげだな。
「にゃああ~」
!?
「ひぃぃぃ~」
シェリルがエレベーターを降りて、猫がレンに飛びついた。
「うわわわわわわわ!!離して、猫、放せ!!」
「レン!?」
クルーの一人が慌てて、レンを助けようとすると、シェリルが素早く猫を捕まえようとする。
「猫~~!!」
頭の中がすっかりパニック状態になり、司会も猫に奪われ、レンは手足をじたばたさせ、シェリルが猫を捕まえた時、
「あっ」
と、シェリルが足を踏み外し、レンにしがみついてきた。
「アスタール、何をうらやましい事を」
「てめえ、婚約者がいるくせに!!」
ズダダダァァン・・・!ドタン!
「にゃあ」
大きい音が鳴り響き、レンは柔らかい感触に気付き、目を開けて、シェリルがしがみついている事に気づいた。
「大丈夫ですか?みっともない所を見せてしまいましたね」
シェリルもレンのほうに視線を向ける。
「あ、あの、すみません」
・・・同い年か、同い年の女性は煩いから苦手なんだよな。
とりあえず、レンは営業用のアスタール家の令息としての上品な笑顔を浮かべた。
漆黒の闇の中で突然光が注げられる。
カッカッ。靴音が静に鳴り響く。
「シン、大丈夫」
「・・・ああ」
扉が開かれた。
「でてきたぞ、ミスリルのシン・アスカだ」
「あの赤鬼のようなMS、トゲツキの」
上品に高貴さを漂わせて、赤と黒の衣装を着たシンが現れる。
「最強のテロリスト軍団を一夜で亡ぼしたという」
「あれが・・・」
「随分、若いな」
ルナマリアはたよらかに笑う。
オオオオオオオオオオオオオオオ・・・・・!!
歓声が沸きあがった。
「・・・・・」
シンは真っ直ぐに赤い瞳を目の前の群集に向ける。
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