第3章


(by マリヴォー)

       第3章―ベターな人生じゃ物足りない【Better/好ましい・上手な】

アーチャーイリアスが出所としているといわれる月耶麻市の霊山では、様々な怪奇現象が起きていた。その情報を掴んだのは、情報分析班のミリアム・ローザウインドだった。赤い髪が特徴の眼鏡と巨乳の美少女である。
「・・・・ミリアム、あんたのその格好は何なの」
「ごめんなさい、私の研究室、クーラーが壊れてて、熱かったの」
てへ、と舌を出しながら、頭に手を置いて、謝った。
「早く着替えてきなさい」
セレスの眉はぴくぴくと動いている。



「あの、そのっ、ええと、わたし、天王愛里簾です、勇牙さん、静さん、よろしくお願いします」
最下層のガラス張りの廊下で、可憐で大人しそうで人を傷つかない透明感のある少女、天王えりすが車椅子をメイドに動かしてもらいながら、軽やかに現れた。閉じられた目は硬く閉じられている。
・・・可愛い。
勇牙はふんわりと微笑む。




「お前に俺の何がわかる」
「だって、その手は」
「ただの反動だ」
「君は俺が嫌いなんだろ、ナラ、パイロットとして協力だけすればいい。敵を正義の為に撃てばいい」
「お前、俺がお前を放っておくと思っておくのかよ!!」



「地球人、殺す!!」
アーヴィンの死神のような機体がヴァルディアを追いかけてくる。
「何だ、アイツ!!」
「震えを押さえろ、おびえるな」
「行くわよ、2人とも」





「お前達がお兄様を苛めたなぁぁ!!」
「皆、皆、消えちゃえ!!」
「お兄様を殺すものは皆、消えればいいんだ!!」
「止めろ、エリスちゃん!!」




・・・・助けてくれたのか。
「体は動かせるか?」
「・・・ああ」
スバルが手を差し出した。
「手を出せ、上に引っ張る」
「お前を信じたわけじゃないからな、まだ」
「当たり前だ」

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