第9章星空ファーストコミュニケーション


「お兄様のお友達ですか?」
車椅子に乗って、反抗するセブンとルー度ヴィッ費を迎えに来たエイレーネと、変装したディアスの姿があった。




「ラインハルト・・・」
「朱宮さん?何故、ここに」
「お母さんとの思い出なの」


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「ルクレティア・・・・」
「ルードヴィッヒ・・・・」
息が届きそうな距離で、薄暗いエレベーターの中で、2人は、ルードヴィッヒが下で、ルクレティアが上の状態で覆いかさぶり、頬を赤くして、固まっていた。



ヴリルとルクレティアは、事故で偶然触れ合ったお互いの唇を呆然と確認するように触っていた。



「総督から離れろ、オーディン!!」
「止めて、ヴリル!!」
「お前こそ、私の仲間を離せ」
「く・・・っ」
エカテリーナはくっと息を苦しそうにした。



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「犠牲者を生むのが戦争だ。オーディン、非情になれ」
「だが、彼らは弱者だ」
「だが、俺たちをアヴァルツデュアに売り、殺そうとした。世界を相手にするということはこういうことだ」



「エリヤ、俺は貴様と違う。俺は仲間を見捨てない」
「テロリストらしからぬ発言だな」



「・・・・オーディンが仲間を助けに単身できただと!?」
コランダムが驚愕の声を上げる。
「非情になりきれない所が、お前らしさか、廃棄皇子・・・・!!」




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「・・・紳士なんですね、オーディン」
「皇女殿下、私が言うのもなんだが、私が恐ろしくはないのか?私は貴方の兄を殺した男だぞ」
「・・・・恐ろしいです。ですが、私はそれ以上に哀しいのです」





燃え盛り、炎に包まれる街。廃墟となった世界。泣き叫ぶ子供。壊れたオルゴール。両親が勇者に殺される光景。
ディアスは静に怒りをこみ上げる。自分と皇子は同じなのだ。
だからこそ、彼の妹や自分の大事な人のために、オーディンを、皇子を、世界の勝利者にしなければいけない。食い荒らす皇帝ではなく。




ライデンは圧倒的な力の差に悲鳴を上げる。
「ライデンは私が守る・・・」
「先輩・・・!」



                   5
学園の第二校舎の部活棟の理科室でカインはラベンダーのめしべとおしべの実験をしていた。ビンとビンを混ぜて。
明日は琉紗耶祭だ。



人ごみの中、狐の仮面をかぶった薄紫の美少女に男に捕まろうとした瞬間、カインは後ろから手を捕まれ、引き寄せられる。
「行きましょう」




宝物殿の中でカインは高嶺と菊理の逢引を目撃した。2人は絡み合っていた。
「おお・・・」
「ええ・・・」

子供が跳ねるような音がカインの耳に聞こえた。


               6
「姫、良く無事で」
「カール・・・」
ルクレティアはほっと胸をなでおろした。




「仕方ないね」
「見てしまったのだから、あいつは処分するしかない」
舞の言葉に扉越しのカインは耳を疑った。



「やっぱり、聞いてたのね」
背筋が一気に冷たくなった。
「―-」


「リチャード、ジュリエット。スプリガンのパイロットである君たちに学園世界でのウイルスの駆除をお願いしたい」
「イエッサー」
銀色で統一された中世の甲冑を思わせる優雅でありながら、重武装のスプリガンには、白の騎士団の紋章が胸に刻まれていた。
ブゥ・・ン。
漆黒の金属の目の中で藍色の光が揺れる。
「恥情」の感情がスプリガンにはアップロードされていた。性格は、後方や情報収集が多く、謙虚で遠慮がちで温厚で感情を抑えている性格だ。
恥ずかしい、という感情がスプリガンの全てを支配していた。
『私は、殺したくない。ずっと中にこもっていたいのだ』

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