●○なつ。の本棚○●

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2006年10月05日
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カテゴリ: ★★★な本
何の自覚症状もなく発見された胸部の白い影―強い絆で結ばれた働き盛りの弟を突然襲った癌にたじろぐ「私」。手術後1年以上の延命例が皆無なことを知らされた「私」は、どんなことがあっても弟に隠し通すことを決意する。毎日芸術賞受賞。




吉村氏がお亡くなりになって、図書館では『吉村昭氏コーナー』なるものが出来ていたのでこの本を借りてきました。

リンクしていただいている 「きたあかり」 さんから、この本は末期癌が発覚した弟を看病するお話ということを少し聞いていたので、身内に癌患者がいる私としては特に興味がありました。


今では「癌」であっても、患者自身に告知することがごく普通に行われています。

それが良いのか悪いのかは、患者自身になってみないとわからない・・・・というのが正直な気持ちですが。

この本が書かれた当時は患者自身に告知するというのはありえないという時代。。。

働き盛りの弟が癌の末期であることがわかった「私」は、どんなに弟が怪しんでも、本当のことを言ってくれと頼んでも、癌であることを隠しとおします。

弟のためであることはわかるのですが、やっぱり時代でしょうか、私には賛同できないところでした。。。

ここまで隠さないといけないの??と思ってしまいました。

残された余生を有意義に過ごす、なんていうのは、やはり絵空事なのでしょうか・・・・。


弟が危篤に陥るたびに、仕事の合間を縫ってかけつける「私」を見ていると「身内が癌に侵されるということ」について深く考えさせられます。

吉村氏自身も弟を癌で亡くされていて、この本の中の「私」も「もの書き」が職業であることからも、自身の気持ちを強く「私」に投影していることが察せられます。

吉村氏自身は「尊厳死」を選んだことが新聞に載っていましたが、晩年どんなことを思っていらっしゃったのでしょう。

冷い夏、熱い夏
画像がないけど 「冷い夏、熱い夏」





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最終更新日  2006年10月05日 09時38分12秒
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