一行程の記

一行程の記

PR

×

Profile

はや%

はや%

Favorite Blog

M・M・N ~みくるみ… ○みっくん○さん
五目炒飯(≧∇≦)b gaebulggaebolga@リリィさん
白いあやめ ~REVIVA… 綾(白魔綾)さん
ネットの片隅で独り… r_eastさん
デール・カーネギー日… みっちゃんぱぱ4928さん

Calendar

Archives

Aug , 2026
Jul , 2026
Jun , 2026
May , 2026
Apr , 2026
Mar , 2026
Feb , 2026
Jan , 2026
Dec , 2025
Nov , 2025
Jul 25, 2006
XML
カテゴリ: 哲学
下の文章には、『この今』についての掛替えなさを喚起させられたので、引用してみる。

    こうして我々はいつもより良いものを待ち望んで生きている。
    そうかと思うと我々はまた、しばしば過ぎさったものへの悔いをまじえた憧れのうちに生きている。
    ところが眼前にあるものについては、ただ一寸の間それを我慢するといったような風で、それに対しては目標に達するための道程というだけの意味しか与えられていない。
    こういう次第であるから、たいていの人達は、晩年に及んでおのが生涯をふりかえってみた場合、自分は自分の全生涯を全くゆきあたりばったりに生きてきてしまったのだという風に感ずるようになるであろう。
    そうして、 自分があんなにも無造作に味わいもせずに通りすごしたものこそ、実は自分の生命だったのであり、それこそ自分がそれを待ち望んで生きてきた当のものにほかならなかったこと を知って、怪しみ訝(いぶ)かることであろう。
    このようにして、通例、 人間の生涯とは、希望に欺かれて死のかいなにとびこむ 、というこのことにほかならないのである。

    (ショーペンハウエル「現存在の虚無性に関する教説によせる補遺」(「自殺について他四篇」斎藤信治 訳,岩波文庫) 強調は引用者によるもの)

ただし、他方で彼はつぎのようにも言っている。
時間というものが、万物がその瞬間ごとに我々の手もとから滑りぬけて無に帰っていく、その所以のモノである、ということに言及した後で、曰く

    たしかにひとびとは次のような教説を築きうるでもあろう、――現在を享楽すること、そしてそういう享楽を人生の目的とすること、これが最高の 智慧 である。何故なら、まことに現在だけが実在的なものなので、他の一切は虚妄にすぎないのだから。
    けれどもひとびとはまた同じようにそれを最高の 愚鈍 と名づけることもできよう。何故なら、すぐその次の瞬間にはもはやなくなってしまうようなもの、あたかも夢のようにあとかたもなく消え去ってしまうようなもの、は断じて真剣な努力に値しないものなのだから。

    (同上。強調は原文ママ)

このへんがショーペンハウエルを彼たらしめているところのモノではある。
しかしながら、この後者はともかくも、さきの前者のほうの言説については、『この今』について顧みるのによい切っ掛けを与えてくれるものではないかと感ずる次第である。

まあそんなかんじで……。ほかにも彼はときどきおもしろいことをいっているので、いつかまた触れてみたい。
たとえば、「生きんとする(盲目的な)意志」のあらわれとしての 生殖行為 、について言及している次の箇所なんか、 School Days (Overflow) など孕みネタ好きとしては、思わずニヤリとさせられてしまう(・∀・)

    即ち 同衾(どうきん) が彼(悪魔)の手附金なのであり、その結果は彼の国となるのだ。一体ひとびとは、「 交合の直後に悪魔のたか笑いがきこえてくる 」ということに気づかなかったであろうか。(中略)
    一体性慾というものは、(中略)、勿体ぶったこの世界のあらゆる詐欺――世界は言葉につくせぬほどに無限に誇大にあんなにも多くのものを約束しておきながら、さてその与えるところのものはまるで可哀そうなぐらいに僅かなのである――の精華となるものであるということ。

    (同上「生きんとする意志の肯定と否定に関する教説によせる補遺」 強調は引用者によるもの)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jul 29, 2006 05:43:08 AM
[哲学] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: