vol.4 『自分の時間』



Vol.4 『自分の時間』

 アメリカに来て、もう7ヶ月が過ぎた。最近、ようやく、必要最低限のコミュニケーションに不自由しない程度に、英語が上達してきた様に思う。いや、英語が上達したというよりも、英語圏での現在の生活に慣れて来たと言った方が適切なのかもしれない。自分の生活を自分自身で設計し、管理しながら、留学の目的を見失わない様にい続ける。今回は、そんな、現在の、ただ英語を学ぶというのみではなく、全てを自分で管理しつつ、自分の目的を見失わず前に進むという事を意識しながらおくっている大学での生活について、レポートする。

 ただ、英語という言語を勉強する...そういった意味では、前セミスターに在籍したGSWのELIは、非常に良かった。初めてのアメリカでの生活という観点からしても、10数人の同じ状況の日本人達が近くにいて、食事や住居もあらかじめ、大学内の設備として備え付けられ、夜は平日11時、週末10時まで図書館が開いている。大学内で全ての生活がまかなえる環境が整っていたといえる。それに較べ、現在、僕が通っているDarton Collegeという短期大学では、設備の充実において、明らかに下回っている。図書館は、平日夜10時までで、週末、金曜日は、午前、午後、いづれかしか開いていない。住居も徒歩15分の大学外であり、食事も完全な自炊生活である。しかし、僕は、この大学を自分で選択した。そして、2ヶ月が過ぎた現在、その選択をして良かったと思う事はあっても、間違っていたと思った事は1度も無い。その困難さを、自分が求めていたからである。

 確かにGSWでは、勉強だけに集中する事が出来た。TOEFLの事もあって必死に勉強もした。だが、とりあえず、TOEFLが目標に達し、大学に進んだ自分が次に留学の目標とすべきものを考えた場合、机に向う勉強だけに集中できる環境を求めるべきではない、と考えた。僕は、日本の大学を休学してアメリカに来た。社会で働く決断を求められたが、自分に対して絶対的なプロフェッショナルとなるだけの自信も無く、また、自分に迷いがあって、その様な中途半端な気持ちで社会に出るべきではないと思った。かといって、そのまま、付属の大学院に進んだとしてもなにも変わらない気がして、留学という道を選択した。勉強という定義が、机に向って勉強する事だけを指すのなら、以前の大学の方が良いのかもしれない。しかし、それに疑問を覚えて、それだけでは社会で主体的に生きていけないと思いアメリカに来た自分にとって、自分の時間が溢れ、それを使って、将来の為になにが自分にとって大切かという事を考えながら、自分の力で生活を設計していく現在の大学生活は非常に良い経験となっている。

 ほぼnativeばかりである周りの生徒達も、皆、自分の生活にとって大切な物が何かを考えながら、自分で色々な事に責任を持ちながら、大学に来ている人が多い。ほとんどの人が働きながら、大学に通っている。年齢層も幅広い。これは、なにも大学の教育が楽だからだとか、質が低いからという理由ではない。課題やテストは大変であるし、将来、自分が社会で責任を持って生きていく為に必要な知識、実用的な知識を与えてくれる大学であると思っている。そんな人間や環境に囲まれ、自分を考えながら、生活をおくれている。それが留学7ヶ月目の現在の生活である。


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